今日がアンコール上映の最終日なので伊勢佐木町でドキュメンタリー映画のヨコハマ・メリーを見て来た。戦後の横須賀で米軍将校狙いの娼婦となり、40歳頃から晩年迄、白塗りにレースやフリルいっぱいの服という異様な出で立ちで外娼として立ち続けた彼女に惹かれた人、縁のあった人達、そして彼女のいたヨコハマを語る人達から描いた作品である。

  特に印象的だったのは自身も男娼をした経験から彼女に親身に、かつ尊厳をもって接したシャンソン歌手の永登元次郎さん。そしてフィルムには登場しない科学的根拠も無いのにメリーさんが使った食器や櫛をいくら消毒や洗浄をしていても嫌がって、彼女をお気に入りの喫茶店や美容室から追い出した人達の存在である。

  確かに娼婦は法律も禁じる褒められた職業ではないが、メリーさんは老いても一方的な施しを受けるのを潔しとせず、どんなに小さな事でも報酬に値する行為を行おうとしたとの事。

  綺麗事を言う弟子達が逃げた中、刑場に引かれるイエスに駆け寄ったというキリストとマグダラのマリアの事がしきりと思い出されてならなかった。化粧を落とし素の自分に戻ったメリーさんの再晩年の穏やかな表情が美しかった。