drawing

 やや涼しい日を過ごした後、暑さがぶり返したので、なかなかヘビーな日でしたが、市民図書で借りてきた「あの戦争から遠く離れて」を読んでいました。

 戦争の風化が懸念される中、特殊な「残留孤児2世」である著者が父の足跡を追った記録を書いたもので、最初に本を手にとった時の予感「これは、直ぐに読めなくなるか、一気に行くか、どちらかの本だ」と思ったのが当たりました。そう、後者でした。

 テレビで何度も日本人残留孤児の姿を見ながらも、その生活がどのようなものだったかについては思いをめぐらすことが出来ず、NHKのドラマ「大地の子」で残留孤児の過酷な人生を知った私ですが、著者の父、中国名、孫玉福氏が日本人城戸幹となってから、そのドラマを見て「そんなものではなかった」ともらしたと言います。

 勿論、「大地の子」の陸一心はかなり恵まれていたほうで、一心の妹は悲惨な境遇でした。一心とは違い経済的にはかなりぎりぎりだったものの、一心同様養父母の愛情を受けて育った玉福氏はむしろ幸せな方だっただけに重たい言葉でした。

 それから、歳月が流れ、著者自身が長春に留学中に出会った激しい反日感情への驚きの場面も印象的でした。

 ともかく、気付いたら読み終えちゃったという感じ。

 何よりもまだ30代前半の若さで、戦争のもたらしたものついて、これだけの作品を上梓した著者に尊敬の念を感じましたし、彼女の父に対する深い愛情を感じる事も出来ました。これはおススメ本です。彼女と同年代から下の世代の方にこそ読んで欲しいですわ。

※下手なイラストはお絵かきでトライした絵。お昼に先日再びいただいたラグビーボールスイカを美味しく食べたので・・・ラグビーボールスイカは切り口がこんなではないですが。(^^ゞ

人気blogランキングへ