なぜそんな事を思いついたかと言うと、季節の変わり目でいくつかの通販カタログが到着しているからです。

 通販カタログの場合、現品になるべく忠実にというのが大事ですから、メッチャ裏切られたぁ!という感じになることは少ない筈なんですが・・・

 実際には店舗に行って見て「あれっ、違うじゃん」と思うことあるんです。実店舗で見られないほうがむしろ幸福かも【知らぬが仏】と思う事も・・・

 特にウンチクが色々と書いてある系ですと、違いにがっくりする事がある(どこぞとは申しませんよ)。
 
 そして、何故か子ども時代に買っていた少女雑誌の付録を思い出すのです。

 むか〜し、りぼんとなかよしを付録や内容を見比べながら買っていた私。(脱線しますが、「魔法使いサリー」は予告では「魔法使いサニー」だったのを覚えています。「あれ?タイトルが違う」と思ったのですが、裏話では同時期に日産が国民車サニーを出したからだそうです。サリーの作家、横山先生は火事で数年前にお亡くなりになられましたし、サニーはティーダに引き継がれ名前が消えてしまいましたが・・・)
 大体なかよしの付録より、りぼんの付録の方がちょっといいものに見えました。ある時、ドイツの技術を使ったがウリの宝石箱が次号につくという予告を見ました。今、見直されている高橋真琴先生のお目目パッチリの少女が真ん中に描かれ、周囲はロココ風の絞り出したクリームみたいな装飾。箱自体は淡いピンク。子どもの目からはそこはかとない高級感が感じられ「いいなぁ〜」と思いました。

 ところが・・・その次号で見たのは、確かにイラストはきれいだけど、お菓子の箱より薄いくらいの厚紙で出来た、どこがドイツだ?と聞きたくなるようなシロモノで、すごくガッカリしたのを覚えています。騙されたぁ!

 今も基本的にそうなんですけれど、これだけ芸術的写真が色々とあっても、私の中ではどうしても写真や映像=写実、という考えが優勢なんですね。夢や空想を描くのは絵画、もしくは、スタッフやキャストが明示されて、作られたものと分かる映画で・・という思い込みがあるんです。


 この辺から話が理屈っぽくなりますので、面倒な方はスルーしてくださいませ(私は話があっちこっち飛ぶのがいかんと思ってるのですが、やめられない、とまらない。だから、話す代わりに打ってます。(^^ゞ)。


 真実をよりくっきりと映し出す写真には戦争を止める力もあったという事例として有名なのは、むごい写真ですが、ベトナム戦争で死んだベトコンの遺骸を紐で戦車に結び付けて引き回そうとしている米兵の写真。古代のトロイ戦争のヘクトルの遺骸に対してギリシャ軍がした事と同じなんですが、この写真の残酷性に、既に強まりつつあった厭戦気分がいや増して、アメリカは負け戦の形での撤退を余儀なくされたと言われています。

 一方で、これは写真ではなくて映像を見たのですが、ユダヤ人殲滅への口実のひとつとして使われたフィルムに、「ユダヤ人はこのように不潔だ」(だから撲滅してよいのだ)と言うナレーションと共に、黒っぽい陰気くさい部屋の中で食事をするユダヤ人と思しき人たち、壁にはハエがつつつ〜っと走り・・・と、こちらは事実を装った嘘で、こんなようなものばかりを見て、善良であるはずの一般ドイツ人までがホロコーストに対して鈍感でいられたと聞きました。

 勿論、日本でもやっています。私が忘れられないのは、従軍慰安婦として強制的に働かされた女性が逃亡に失敗し、犬にかみ殺される映像を見せしめのために、仲間の女性達に見せたという残酷なエピソードです。これは許されざる実写ですが、でも、事実を歪曲して使っています。

 カタログと実物が違うよ、アハハ、と笑っていられる程度の騙しならば(勿論、欠陥商品だったり、有毒物質が使われていたらもっての他ですが)まだしも、こういう手の残虐行為を正当化するために使われる写真や映像というのは・・・既に色々なところでチラチラと混ざっているのではと懸念しています。

 勿論、そこに扇情的な文章が付いたら、悪い意味で鬼に金棒です。

 ファンタジーや美しい写真という嘘(と書くと語弊があるかも知れませんが、ほかにうまい言い方が分からないので、取りあえずそう書かせていただきます)ならば良いですが、悪い嘘、悪夢のような現実を招く嘘には重々気をつけて、騙されないようにしなくては、と思います。

 (今日は防災の日ですが、関東大震災の時の流言飛語で、朝鮮の方々が酷い目に遭ったことは忘れてはいけません。改めて合掌します。写真や映像がなくても言葉だけでも十二分に恐ろしい事態を招くのですから)

人気blogランキングへ