前宣言通り(と威張れるようなものではございませんが)、友人を誘ってシネマ・ジャック&ベティに「幸せはシャンソニア劇場から」を見に行きました。

 世界恐慌後のパリの下町のシャンソニア劇場が閉館の憂き目を見た後、失業者たちの力を経て復興する話なのですが、夫婦愛の破綻、ファシズムへの協力、親子愛、男女の愛など、色々なテーマを盛り込みながら、消化不良にならないように上手に料理されているという感じです。

 何だか今の世相みたいだなぁと思ってしまいました。仕分け作業でスポーツ、科学研究費等がムダとされ、多分、文化的なものや芸術振興などもムダと見なされてしまう事でしょうけれど、それって、なんか変だよな〜、節約の本末転倒に似たことにならなければよいけれどって思っている最中だったので(底値を探しまくって、時間をロスしたり、疲れ果てたり、あるいは、節約のためと称し、人間らしいあたたかみのある暮らしに必要な楽しみまで根こそぎ摘んでしまったりというような感じで、カスカスになるのではないかと懸念)、不景気で劇場という、庶民の芸術文化がダメになって行く様子・・・今の日本がひとつ間違えると行きそうな方向では?と思われてしまいました。

 そして、ファシズムに協力する動きも・・・今はまだそこに至っていないけれど、昨今の匿名で言いたい事書き込むネットの発言なぞ見ていると、人の不幸は蜜の味、出る釘は打つ的な発言が多く、この映画の中で現れた反ユダヤ主義など、差別を助長する方向や、過去の日本がやった僻み、ねたみをたくみに利用して、政治のほころびから目を逸らさせる方向に突っ走った・・・(欲しがりません勝つまではのスローガンの下、振袖を切ったり、パーマをしている女性に嫌がらせしたり、etc.)そんな方向に行っちゃったら困るよ、なんて事を思わされました。

 ホームページを見ていると、いいもん側の主要人物のキャスティングは分かるのですが敵役側や、ラジオ男と呼ばれ、後半めきめき活躍する元は座付きの作曲家だったマックスを演じた俳優さんなどが分からないのが残念。

 俳優さんを見ても分からない人ばかり、という事で、フランス映画を見る機会が、アメリカ映画、イギリス映画に比べると、随分少ないんだなぁ〜と思わされます(母の若かった頃には、フランス映画が結構多かったようです)。笑いのツボも直接的表現で笑わせるアメリカ映画に慣らされていて、当初、乗れないところもありましたが、じんわり来るのがフランス流ですね。

 敵役でシャンソニア劇場を一度はぶっつぶし、おばかな側近の言葉に乗って(そこもフランス流笑いなんですが)善政を敷く王気分で、また復活を許可したファシストの実業家を演じた俳優さんが、日本で言うと、綿引勝彦さんと似ていると思いましたが、この頃、すっごく情けない事に、帰宅するまで「ほら、あの人、樫山文枝さんのだんなさんに似ている」と固有名詞が出ないのでした。(^^ゞ この人が、単なる悪役ではなくて、何だか気の毒な程、純情なところもあって、フランス映画は味わい深いなぁと思ったのです。

 さ〜て、映画の後は行って見たいお目当ての別の友人激賞の洋食屋さんがあったのですが(そこに行きたいから、「なくもんか」ではなくて「シャンソニア」にしたようなところも・・・)、残念ながら満席。座席数の少ない店で、待っている人が気になるカウンター席からの視線に申し訳なさを感じ、心優しい(!?)私たちはワシントンホテルのバイキングに切り替えたのでした。

 ゆっくり食べて、その後散策。写真撮り忘れましたが、日本大通のイチョウ並木はきれいに色付いていました。そして、問題を後に積み残しお世辞にも成功とは言いがたかった開港記念博に合わせ開園した象の鼻パークを通り、赤レンガ倉庫へ。

2009年12月2日象の鼻パークより

 象の鼻パーク自体は広々としていい感じでした。(開港博の時は近付かなかったので、初めて来た私)

 赤レンガ倉庫は開港博の時に物産展みたいな雰囲気のテントがあった領域に、冬の本来の施設、スケートリンクを準備中でした。

2009年12月2日赤煉瓦倉庫

 ここでプチなお買い物(珈琲豆や主に輸入品の乾物系食料品を売っているお店でココアと夫の忘年会のプレゼント交換品を購入)をして、またてくてく歩いて移動したのですが、途中、マイカルを通ったら、ここもすっかりクリスマスのディスプレイになっていて、なかなかきれいでした。

2009年12月2日マイカル


 映画も見たし、街歩きも出来たし、楽しい1日でした。(^_^)

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