今日は大寒なのに、記録破りのあたたかさ。

近所の友だちは受験生の母という事もあり、振られてしまったので、今日は一人で映画鑑賞です。

お気に入りのミニシアター、黄金町のジャック&ベティに行き、見てみたかった実在の詐欺師の話を元にしたという「クヒオ大佐」を見ました。

早合点の私、米軍将校を名乗っての結婚詐欺と言ったら、戦後のどさくさ期なんだろうと思っていましたが、サダム・フセインの華やかなりし頃(既にかなり過去ではありますが)に活躍した詐欺師らしいのです。

つけ鼻をつけたどう見ても日本人顔のアメリカ軍人を、台北行きのJALのシートについた液晶画面で見た「南極料理人」で主役を演じた堺雅人さんが、怪しげな英語なまりの日本語で怪熱演しています。
どうしてこんな男に騙されたのサブタイトルが示すが如く、ちょっとつつけばボロが出るクヒオ大佐なのに、松雪泰子さん演じる弁当会社の社長はぞっこん。会社の金を持ち出して捧げてしまい給料ストップで従業員に詰め寄られる場面も・・・。

かと思えば、ひっかけるつもりの銀座ホステスにはいいようにあしらわれ、あれこれやって関係を持つことに成功した博物館の学芸員には早々に見破られ・・・

松雪さんは「フラガール」の時もそうでしたが、ちょっとトウの立った(う〜む、この表現、女性に失礼な言葉だよね、と思いながら、ほかにうまい言葉がありません)女性の悲哀を実にうまく演じられますね。騙されていると薄々気付いていながら、ひたむきに尽くす女性でした。

堺さんって、朝ドラ「オードリー」で主役の相手役の一人として登場。(もう一人は長嶋一茂さんでしたわ)あの時はいま一つ煮え切らないインテリという感じで、どちらかというと、やっぱりオードリーに出演した佐々木蔵之介さんの方がインパクトあったと思うけれど、その後「新撰組」の山南敬助では助命嘆願が来るほどの人気を博したようですね。

一昨年の大河ドラマの「篤姫」でも、篤姫の夫となった虚弱将軍家定を繊細に演じましたが、最近、主演が相次いで、もう直ぐ伊坂幸太郎原作の「ゴールデンスランバー」が公開されますね。

(思えば「オードリー」は主役を演じた女優さんは竹内結子と中村獅道の離婚の理由として名前があげられた位で、その後いまいちだけど、男優輩出朝ドラだったなぁ〜)

男から見たら、簡単に見破ることの出来る虚構に、どうして女性ははまってしまったのか。意外にドジなクヒオ大佐の本性を最初につかんだのは騙されている社長の自堕落な弟。実は英語が喋れないというボロをさらす場面など笑えます。この弟、軍人のはずなのに隙だらけの彼を逆にゆするのですが・・・・

結局のところ、男性のまめさや「あなただけ」に寂しさを抱えた女性は弱いんだろうなぁと思います。クヒオ大佐のやり方はなかなかうまい。詐欺を働く気の無い男性にも参考になりそうな場面も多いです(笑)(例えば、ターゲットとしたい女性の親しい友人に先ず親しげに振舞って、気になるように仕向けるなど)。

某官僚を演じた内野聖陽さん、最初と最後だけに登場で、いわばスパイスの役目。彼が出て来る意味は何だろう?と直ぐには腑に落ちない感もありますが、さすがにピリッと効きます。

ウソを重ねる彼の悲しい生い立ちなど悲哀の部分も描き、弱者を踏みにじる悪徳商法系詐欺とは違う、勿論怪しからんけれど、許したくなってしまうような詐欺師のお話でした。

明後日でこの作品が終ると、いよいよ「南極料理人」を上映するようで・・・大きな画面でもう一度見たい気もするなぁ。

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