友人たちとシネマ・ジャック&ベティで「海洋天堂」を見ました。

アクションスターのジェット・リーが脚本を読んで感動、ノーギャラで出演している作品で、末期癌に冒された父親が一人残される自閉症の息子のために行動すると言うストーリー、音楽は久石譲さんが担当、と言う位の予備知識でしたが、ジェット・リー演じる王さんの勤め先が水族館と言うのにびっくり。

昨日水族館でアシカとイルカのショーを見たばかりなので、同じような場面を連日見る事になり、偶然性に驚きました。

知的障がいが有り、言葉はオウム返しが多く、独特の秩序立った生活を重んじ、時にはパニックに陥る息子の大福(ターフー)を俳優さんが実にリアルに演じていました。

大福は泳ぎが得意で、お客様のいない時間、ウミガメや魚の泳ぐ水槽を彼自身が魚のように泳ぐ…………それが、ラストの涙無くしては見られないシーンに繋がる伏線になります。

日本の作品ならばツッコミどころになりますが、体制が違うので疑問に思ったのは、水族館の水槽で館員以外が単に楽しみ(大福の場合、泳ぐ事は生きる力になっている)のために大水槽で泳ぐ許可なんて、安全性云々で絶対許可が出ないだろ〜な〜、という疑問以前に、そもそも、早くに母親を亡くし、男手一つの子育てだからと障がいのある子どもを職場に同伴も有り得ない。

この辺り、ストーリー上でも触れられていましたが、成人した障がい者の受入施設が日本以上に厳しいらしい中国の事情を反映したのか、意外と融通のきく中国の一面なのか(庶民の車はスリーダイヤマークで、館長さんはBMWに乗ってましたぞ)、管理職の権限が強いのか、興味深いところでした。

もう一つの疑問は、王さんいわく、息子が喋れるまでにしてくれた九年間の義務教育を受けながら、どうして大福は未だに服を自分で脱げないし、公共交通を使っての移動が出来ず、自分が世を去る前に、と父親が必死になって覚えさせようとしているのか、と言う事でした。

私の知る限り、日本では、大福位の障がいの方々はラッシュアワーは避けるとして、ひとりでバスや電車を利用しています。


うーん、うーん、と言う疑問はいくつかありましたが、久石メロディーに乗せ、近所の王さんを慕い親子に親切な食料品店を営む女性と、再婚すれば、相手に大福の世話で多大な負担をかけるから、と気持ちを抑えて来た王さんの気持ちが、彼の死の直前に触れ合う切なくも美しい場面が有り、水族館のイベントでピエロに扮している若いジャグラーと大福の心の交流も、大福のほのかな恋心も、コミカルな場面を混ぜつつ、泣かせてくれました。


王さん親子に心配りをしつつも、今一歩踏み出せないでいた館長さんも、死を目前にした王さんの文字通り必死の親心に心を動かされますし………

海洋天堂は英題はOcean Heaven。大福の母親が亡くなったのは海(追想シーンで出て来る若く美しい母親の死の真相が、障がいのある子どもを受け入れられずの自死らしいと言うのも切ないです)、冒頭、息子ひとりを残すのは可哀相と王さんが互いの足を縄で結わいて小舟から飛び込むのも海、そして、大福がのびのびと泳ぐ大水槽は海の一部を切り取ったようなもの。

父親は亡くなってしまったけれど、きっと大福は幸せに生きて行けると思わせてくれると言う希望を感じさせてくれるラストシーンで大福はウミガメと一緒に泳ぎます。

ロケ地青島の風景と海の青が印象的な心にしみる作品で、見て良かった〜!し、多くの人に見ていただきたいと思いました。


映画でじんわり(実はかなりひどいドライアイの私、本日は思い切り涙で目と心のお洗濯!)した後は楽しいランチタイム。

二時でもランチサービスのある不二家横浜センター店(創業の地元町の次の店で大正年間からの老舗)、助かりました!


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