年明け以来お初のシネマ・ジャック&ベティ。20日までに使い切らないと期限切れになっちゃうよ〜のメンバー更新御礼鑑賞券と五回利用の無料券を使って、友人にお付き合いいただきました。

朝から暴風気味の雨、加えてレディースデーではない普通の日なので、席は好き放題状態でした(笑)。

呪われた傑作とされ、日本では知名度の低い「歴史は女で作られる」。私も知りませんでした。

興行的にうまくないと巨匠監督の休暇中に製作者がズタズタにカットし、監督が失意のうちに死去と言う曰く付き。今では撮れない豪華な映像と聞けば見てみたくなります。

ヒロインは実在のファムファタル、日本で言うところの傾城の美女ローラ・モンテス。
  冒頭、絢爛豪華なサーカスの猛獣より恐ろしい見せ物として彼女が登場します。

どんな慎みを欠く質問にもたったの25セントでお答えします、と司会の男が場内に語りかけ、彼女の頭部を複製した不気味な集金箱を持って団員が駆け回ります。

これ、本当に元伯爵夫人?単なる見せ物の女?と思っているうちに浴びせかけられた質問に言葉少なに静かに答えるうちに回想シーンが始まります。

最初はフランツ・リストとの別れを前にした馬車の旅から始まり、インドでイギリス軍人の父が亡くなり母と船で本国に戻り、最初の結婚に破れ、バイエルン国王の寵愛を受けるも、外国人排斥により、かつて道案内を乞うた学生に助けられ国外へ………という挫折と栄光の後の零落を描き出しています。

ヒロインのマルティーヌ・キャロルは少々時代から零落した中年女までをひとりで演じていますが、少々時代の声が若々しく、違和感がありません。

人寄せパンダ以下のエロチックもウリにした際物の見せ物になって、健康を損ねつつあってさえ、誇り高く凛と振る舞う痛々しくも神々しい美しさは大したものでした。

私にはローラは冷たい計算高い女というよりは、本来は愛されたいし愛したい、かわいい人に見えました。

ほぼボツになり、近年デジタルリマスターで蘇ったという作品で、確かに今の映画に比べて古色蒼然としたところはありますが、風と共に去りぬやヴィスコンティ作品のような濃さで、映画を観たぞ!という満足感があり、見応えがありました。



映画の後はお楽しみランチでまたまた伊勢佐木町からちょいと入ったエルミタージュで、本日はペペロンチーノをいただきました。

気象情報では4月並みの気温で夜から寒気がと言ってましたけど、ジメジメして、ちっとも温かさを感じない日でしたけど、 渋い作品を好む類は友を呼ぶの友人なので(って、私はシネコン系の作品も結構観ますが)、有隣堂で上から下まで見て、楽しい時間を過ごせました。(^_^)v

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