全く興味本位で1日のうちに2本、少々お昼寝時間を設けて見ました。両方とも黄金町。1本目はシネマ・ベティ。2本目はシネマ・ジャックの方で見ました。

 最初は「最高の人生をあなたと」。何に惹かれたかと言えば、憧れの(もともとは祖母に吹きこまれて、ですが)イングリッド・バーグマンの娘が主演だから。

 バーグマン、本当にきれいでした。で、彼女の娘が作品の中で「私も60よ」と言ってるんですから、時の流れは早いもの。

 予告編で見た横顔は母親似でしたが、作品を見ていると、バーグマンより誰かに似ている。誰だ?誰だ?と気になっていて、見終えてはっと気付きました。

 葉山の料理教室で同じ曜日に通ってるあの方に似てる(年齢からいうと、あの方がイザベラ・ロッセリーニに似てるんですが(笑))。
 ストーリーは初老の夫婦の間がぎくしゃくして、子どもたちは気をもんで・・二転三転、結局、ハッピーエンドなんですが、欧米ってのは日本以上に若さに重きを置くのかと思ってしまいました。

 子どもたちも独立し、いわゆる空の巣症候群と言った状態に陥った妻。過去の栄光に対する称賛とは言え、スポットライトを浴びる事もある夫の添え物として生きている自分を何とかしたいと思い、スポーツクラブで用具を使ったアクアビクスに挑むものの、若者の動きにはついていけない、スタイルも悪い・・・と凹む妻メアリー。

 ロビーでは、居並ぶ男性は若い女性が通ると食い入るように視線を送るけれど、ボタンを1つ二つ外し、胸元を見せるようにし、脚を組んで見せても、だ〜れも見てくれない。そんな時に「周りの男たちは目が節穴」と声を掛けてくれたのは動きが緩やかなクラスのコーチ。

 なんか痛々しいんだよな〜。

 日本ならば、メアリーの年齢よりかなり下の女性たちが「美魔女」とか言って頑張ってるけど、私の見るところ、美魔女たちの視線は異性より、むしろ同性から羨ましがられるところに重点を置いているように思われるのです。

 欧米では、あくまでも異性の目が中心で・・・だから、年配層の「痛い若づくり度」は日本のそれと比べて高いように思います(特に、アメリカのお金持ち女性など)。

 日本では私のように「女を捨ててオバチャンとして生きる」というのが、みじめというよりは、むしろ王道なのですから(だからこそ、女性雑誌ではあ〜じゃこ〜じゃと女を捨てないようにと書きまくってる訳で)、楽ですわ。

 いったん自分の老いを認め始めたメアリーは、夫のアダムも老いを認めるべきと高齢者向け製品をあれこれ買って、それが夫婦間の溝を深めたりしますが、まだ早いと言ってるアダムが、はっと気付くと、メアリーが据えた手すりを握っていたりするのが笑えます。

 紆余曲折を経て、子どもたちも両親が離婚に走らず、むしろ絆が深まった様子なのをホッとするというラストですが、最後の場面が、ごくごく穏やかに描かれているとは言え、ベッドシーンなのも欧米ですね。日本では年金エイジかそれに近い男女のそういう場面ってめったに登場しませんから。

 ベッドを共にしなくなったら離婚と言われる欧米と、ベッドを共にし続けると下手すりゃ離婚(相手のいびきやエアコンの効き過ぎを我慢することになる事多し)な日本との違いを感じましたね〜。

 老いに対する不安、空の巣症候群などは共通ながら、夫婦のあり方についてはペアで行動するのが基準の欧米と、亭主元気で留守が良いの日本との差を感じ・・・・なかなかおもしろかったです。

 しかし、イザベラ、勇気がありますね。むちむちの体を水着に押し込めての演技など、リアルな中高年像を演じて、えらい! 彼女は痛い若づくり派ではないのがよ〜くわかりました。

 途中、スターバックスでのお休みをはさんで(ネットマイルで稼いだポイントをスタバカードに付与したものを利用)、夕方からあと1本。

 京都が舞台だ!で見ようと思った作品。Yahoo映画ではかなり酷評されていましたが「天使突抜6丁目」を「覚悟の上」で見ました。

 京都らしさは最初と最後に現れる霧に覆われた山、石仏や、途中現れる嵐電くらいで、後は日本のどこにでもありそうな工事現場とか、日本のどこからも減っていそうなおんぼろなアパートなどが舞台です。

 何を言ってるんだかよく分からないという評価がありましたが、要するに寓話なんですね。どちらかと言うと悪夢的な寓話の世界。

 主役の男女は私、存じ上げないのですけれど、脇に柄本明さんや、今大活躍中の大森南朋さんのお父さんの麿赤児さんなど、よく知ってる顔が出来ちゃうから、ついつい「これは現実を描いている系作品なのか」と思いそうになるのですね(おなつかしの横山あきおさんも登場)。

 倒産して追い出された工場。たまたま金魚の餌やりに戻っていたばかりに、やくざ者に追われてしまった工員の主人公。逃げて、逃げて、不思議なトンネル(まるで観音崎あたりの防空壕みたいな感じ)の向こうには天使突抜6丁目(京都市内の五条通りかいわいに天使突抜という地名は実在するけれど、6丁目はないそうです)のおんぼろアパートに転がり込んだ次第。

 ただし、幼なじみだよと言う管理人に対する記憶は全然ないし、ばーさんと呼ばれているちょっと認知症が入っているのかという女性はいるし、昼間から下着もしくはそれ同然の姿で飲んだくれて寝てばかりの若い女はいるし・・・と変な住民ばかり。勤め先となった警備員の仕事で知り合った化石好きな警備員は実は自動車が苦手、警備会社の社長は穏やかそうだけど、えらく耳が遠いし・・・
 
 トイレでおう吐していた飲んだくれの女性の後始末をしたところから、妙に距離が縮まり、結局、彼女から迫られて関係を持ってしまった主人公。背中にある奇妙な瘤から羽が生えたら、ここから飛んで逃げられるという言葉に半信半疑。

 あれこれあって、最後に二人はトンネルをくぐり、工員の彼が元来た世界に戻るのですが・・・

 という話で、画面的には京都的きれいさは先ほど述べた部分くらいで、トイレだの、セミの抜け殻が降ってくるおんぼろアパートだの、きれいとは程遠いのですが、妙な味わいがありました。

 殺人なども出てくるのですが、懸念したスプラッターな場面はなく、そういうのが大の苦手なもので助かりました。

 描かれているものは不条理ですかね。登場人物、特に、羽が生えてくると言った女性にも、全然共感出来ないんですけれど、そのゴツゴツ感が印象的な映画で、予定調和ではない面白さがありました。

 たまにはこういう、私にとっては冒険的に見える映像作品を見るってのも有りだと思いましたよ。

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