読書ブログに感想を書きましたが、水村美苗さんの「新聞小説」を読みました。



 奔放な母親に振りまわされて、気付いたら、男に愛されたことにないまま人生を下っているという中年女性の物語であります。

 ところどころ身につまされたり、そりゃそうだと思ったり。

 最初のうちは食い付きが悪かったのですが、途中から一気呵成に読めちゃいました。
 多分、妾腹という屈辱からの強烈な上昇志向というヒロインの母親と、医者のひとり娘として裕福な子ども時代を送った後、結婚して苦労しまくったと言う祖母とベクトルは真逆なのでしょうけれど、いわゆる中流家庭として、似た様なエピソードを周囲に沢山持っているように思います。

 ヒロインの母親が「横浜」と呼んでいた山手の丘の富裕ないとこの家を憧れていたように、私が子どもの頃、祖母はずっとKという祖父(祖母の夫)の従兄の戦前の庶民基準から言うと恐ろしく垢ぬけ富裕な家の事をずっと言い続けていたのを思い出しました。

 男女の間の格差が大きく、男は浮気して当たり前という時代だったから、いわゆる日陰の身の女性とその子どもという話も沢山あったようですし、一族に成功者がいれば、逆に没落もあり・・・。

 著者が似た様な背景を背負って来た中流家庭の末裔の代弁者に思えました。

 何かしら共通点を見つけると、私の場合、読むスピードがアップします。もちろん、家族の背景じゃなくて、物語の舞台でも良いので、この作品では知っているところが沢山出てくるので、その点でもスピード倍増でありました。

 むし〜っとした過ごしづらい日でしたが、本を読んでいるとそれを忘れられる! 読書は楽しいですわ♪

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