八ヶ岳にいる間に体調不良になったゴマ。先週、歯を削って貰って食欲回復したと思ったのですが・・・それはわずかな間でした。月曜くらいから、また食べる量が減り、火曜日はさらに食べない。夜行性だから、夜になったら食欲回復かなあと様子を見ていたのですが・・・・とうとう昨日は餌を出すと、直ぐに食い付くのに、一瞬で終わりで、餌が全然減らない。

 明らかに変です。様子を見ていると、どうも内臓ではなくて、口腔に問題があるようです。

 先週もお願いした友人が、忙しいのにもかかわらずまたゴマを獣医さんに連れて行ってくれました。

 通り抜ける鎌倉は修学旅行生や遠足で賑わっている様子、ややお天気下り坂とはいえ、青葉の美しい日でした。

 ゴマの前の患者(患犬?)さんは、脳梗塞を起こしたのではないかと言うわんちゃんでした。お母さんは本当におろおろしていました。わんちゃんはぐったりして、立てない、食べられないという事でした。体が大きく、知恵もある分、ゴマより深刻そうでお気の毒でした。
 予想はしていましたが、ゴマはもはや手の尽くしようがない状態になっていました。

 小動物は本当にあっという間に状態が悪化するのです。先週の診察時にも「顎の骨がずれているかも?」と言われていましたが、口が開かない、咀嚼が出来ない、嚥下も出来ない。

 要するに老衰なんです。別れの時が遠くないのが実感されました。

 色々出歩いたり、友人との約束も多い私。ずっとそばで診続ける事は出来ないし、泊まりの予定はキャンセルした方が良いでしょうか?と先生にお尋ねすると・・・

 そこまでする必要はありません。この子たちは自分で行く時を選ぶのです。ひとりぼっちで行って可哀想と思う必要はない。自分の意思でそうする子もいれば、家人に看取られるまで頑張る子もいるから。

 そう先生はおっしゃいました。とても救われた気持ちでした。やるべき事はやりましたから、文字通り、人事を尽くして天命を待つの心境になりました。

  
 実は、今日、私は高橋先生の手ぬい教室の日。チュニックの初回で材料をいただいてこないとにっちもさっちも行かないのです。親切な友人にお願いすると、快く鍵を預かって、ゴマのキャリーを玄関先に入れてくれる事となりました。

 お教室の係の人には事情を話して、遅刻の可能性を伝えていましたが、彼女が鎌倉駅そばで下してくれたおかげで、ランドマークタワーのある桜木町へはスムースに移動出来て、大した遅刻もせず、直ぐにレッスン内容に追い付く事が出来ました。

 作業している間って、色々な葛藤がす〜っと消えますね。少し気がかりながら集中できました。

 終わったら、即飛んで帰りました(と言っても、電車やらバスやら乗りついでですが)。うまい具合に雨がぽちぽちのレベルで傘なしで帰宅出来ました。

 ゴマは待っていてくれました。ただし、とても弱っているのが分かりました。

 夕飯の支度をするまで抱っこしてやりました。体温が下がっているのでしょう。元気な時には絶対に触らせてくれなかった背中をタオルでくるんで抱きとめてやると、じ〜っとしていました。

 途中で、ご飯の支度に立ちましたけれど、気になって炊飯仕上がるまでまた抱っこしてやりました。黒い瞳がきらきらしていて、もしかすると、まだ頑張ってくれるかも?とも思いましたけれど、獣医さんが貸して下さったシリンジ(注射器みたいなもの)の先に付ける金具を通しても、もう殆ど飲めない状態で、本当に衰弱しているのが分かりました。もう移動も出来ない状態です。ドアを開けはなったら、リビングを駆け回って、本棚の後ろに隠れて探し出すのは一苦労・・・なんて事はもうあり得ない。

 抱っこしている時に、急に鼓動がひときわ激しくなる瞬間があって、ああ、もうだめか?と思うと、ひげがくるくると旋回したり、耳が動いて生きているのが分かりました。が、6時20分になる頃、急にげっぷのようにしゃくりあげました。以前もそういう事があって、ぎょっとしましたが、その時はよくぞ持ち直したものです。獣医さんは「この子は生命力と精神力が強いから」とおっしゃっていましたが・・・。

 何回かしゃくりあげるので、のど元を撫ぜてあげると楽になった様子です。と・・・・あっという間にゴマは天に召されました。大して苦しむ事もなく・・・

 獣医さんは「永らえても、痙攣したり、苦しそうな時は楽にさせてあげるという方法もあります」と言っておられましたが、私の腕の中で星になってくれました。午後6時22分でした。

 家族や友人、ペットクリニックの先生にもご連絡しました。先生は「今日、最後に会えてよかった」とおっしゃってくださいました。

 ゴマ、ありがとう。かわいらしい姿、やんちゃな姿、忘れません。

 素晴らしい獣医さんに診ていただけて共々に幸せでしたし、支えてくれる友人や家族がいて、感謝です。

 したりない事もあっただろし、してはいけなかった事をしてしまった事もあるかも知れないけれど・・・天寿を全うしたのだと信じています。



 きっと、しばらくの間、夕食の後「ゴマを散歩させなくちゃ」と思うのでしょうね。寂しいけれど、良い別れが出来ました。

 ※チンチラを飼っておられる方、こちらの先生です。本当に飼い主、ペット、双方の気持ちに沿って下さる素晴らしい先生だと思います。

人気blblogランキングへ