昨晩も出かけて、連日はいかがなものかとは思いましたが、明日の最終上映日には台風4号が来るかもしれないし、今日の午後は高橋先生の手ぬい教室で、経路としては一筆書き、改めて出直すより合理的だし、などなど理由をつけて、またシネマ・ジャック&ベティへお出かけです。

 ぜひとも見たかったのに、今までに見る機会がなかった映画、八月の鯨、やっと見られました。

 思えば、制作年の1988年って、長男がベビーで、映画はもちろん、テレビ視聴だって思い通りにいかない位、ありとあらゆる娯楽を殆ど返上していた頃の事でした。

 映画黎明期の大女優、リリアン・ギッシュと、映画黄金期の立役者の一人ベティ・デイヴィスを主役に姉妹に配したこの作品、登場人物は、ギッシュ演じるセーラのおせっかいな親友が連れて来る不動産業者以外、見事にシニア揃いです。

 リリアンもベティも私にとってはリアルタイム視聴をした女優さんではなく、偉大な業績を耳目にする過去の人だったのですが、映画年鑑のようなもので見たリリアンの可憐で美しい写真、ベティの凛としたまなざしが印象的で、その彼女たちの作品、何とか大きなスクリーンで見たいと願っていました。

 若い時に聞いた、女ロッド・スチュワートと呼ばれた(?)キム・カーンのベティ・デイビスの瞳という曲も印象的でしたし・・・。



 実年齢では出演者中最高齢だったリリアンが演じたのはセーラという、働き者の妹。戦争で若いうちに未亡人になって、ベティ演じる姉リビーの家に世話になっていた時期があります。

 今は白内障で視力を失ったリビーが、夏の間、海辺にあるセーラの別荘で過ごすのですが、映画冒頭は、このふたりと、親友のティッシャの若い日々がモノクロで映り、若々しい彼女たちはクジラの姿を探し、はしゃいでいます。
 
 しかし、歳月を経て共に老いた今、リビーは気難しく、皮肉や文句が多く、セーラはこのままやっていけるのだろうかと自信を失いかけます。

 ともすれば潤いを欠きがちな老女ふたりの暮らしの中で、亡命貴族を名乗る老紳士や、出入りの老大工などとのやりとりがアクセントになるのですが、彼らの訪問を楽しみにするセーラに対し、リビーはずけずけとものを言います。

 明るくお節介焼きな、接骨院通いの常連さんの中にもいそうなタイプのティッシャも度々ふたりのもとを訪れますが、リビーとはちょっと距離を置きたい感じ。一方でこのままの生活が続けられるかというセーラの気持ちを先取りして、不動産業者を呼び寄せて、さしでがましいとぴしゃりとやられたりもします。

 何らドラマチックな出来事が起こる訳ではないのですが、老いたふたりの、1人は可憐、1人は毅然とした対照的な姿の美しさや、洗いざらしの味わいを持つ別荘の暮らしぶりなどが描かれ、とても画面が美しいです。

 グレタ・ガルボや原節子のように、忽然と姿を消し神話となるという美学もありでしょうけれど、年老いるという現実をその姿と共に演じ続けた出演者たちに、俳優魂を感じます。

 ばぶばぶ言っていた赤ん坊が生意気な口をきく25歳になってしまった間に、出演者のほとんどは天に召されてしまったのだなぁと思うと、リアルタイムで見たかったなぁという思いもありますが、人生後半に入っている今の私が見るからこそ、しみじみとしみるものがあるのかも知れないですね。

 今月は映画の当たり月だなぁ。


 カメヤによってパンを買ってランドマークプラザ5階のベンチで食べる根性なんぞ軽チンなのも、年輪を重ねたからでしょうかねぇ(笑)。

 そこからランドマーク方向へ行くのに、わざと野毛の裏道を通りました。ここ、スクールゾーンなんですね。横浜でも1、2を争うディープな雰囲気のエリアに属しますけれど、普通の生活も営まれている訳です。

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 あと1日遅ければ、新しいショッピングモールに寄れたようですが、明日の開店日、お天気が荒れないと良いですね( ↓ 桜木町駅方向からの動く歩道の上に飾りつけてあるウニクロのPR旗)。

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 手ぬい教室は・・・これは要らないとバッグの中からかさばる裁ち物はさみを取り除いた時に、一緒に裁縫箱もどけてそれっきり。親切な方からお道具をお借りして、何とかしのげました。とほほ・・・

 6月2週目、高橋先生の手ぬいの放送がNHKのすてきにハンドメイドであったので、教材にした布地がなくなちゃったそうです。それほど簡単に出来そうなのが魅力の手ぬいですよ〜(私でも出来る位だもん♪)。



 幸いに往復とも大降りにならずに済み助かった日でもありました。

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