かなり私のトーンに合う地元紙の映画評が好意的に紹介していたのと、仲良しの友人が見たいと言っていたと記憶しているのとで、実話ベースの「奇跡のリンゴ」を見に行きました。

  苦労話はヤだよなんですが、主役が目力男の阿部サダヲさんならば、沈みっ放しは無いだろ〜、と「大奥」で悲しき性の将軍を演じた菅野美穂さんはどんな健気妻になってるか、などなど、ミーハーの好奇心もございました。

端的に言っちゃえば、やはり苦労話。だけど、高校時代に農村部で過ごした身なので、村人の突拍子も無い事に対する忌避感が強い反面の協力関係なども、耳目にしたので、決して自分から遠い話には思えませんでした。
 青森の農村部で生まれた主人公は、子どもの頃から分解魔。家族の、友人の、大事なものを片端から分解してしまって「どうしてだろう?」と仕組みを知りたがる。時には生き物の不思議も思う探究心旺盛な子どもでありました。

 手間のかかるりんご農家は嫌だと東京で就職。電気メーカーでコストカットに燃えていた主人公ですが、仕方なくふるさとに戻って、見合いで婿養子となったのは、かつて、いろいろやらかす高校生だった主人公をけらけら笑っていた女の子で、彼女の家は嫌だといっていたリンゴ農家だったのでした。

 いとしい妻となった女性が、農薬で強烈なアレルギーを起こすと知った彼は何とか無農薬栽培でリンゴが出来ないかと、子ども時代からの分解、分析癖をそのままに実験を始めるのですが、最初のうちこそ順調そうに見えたものの、虫はつく、病気は出る、そのうちに村八分のようなことになり、公共料金も払えず、ランプを使う、子どもらは貰った消しゴムをカットして使うというような貧乏のドン底に突入するのです。

 ここで立派なのは、結婚してすぐから「親父と呼べ」と言った妻の父。息子となった主人公を信じ、畑を売ることになろうとも、反対せず、無農薬栽培を試させ、周囲に頭を下げることもいとわないのです。

 もちろん、奥さんも立派。どんな貧乏で惨めな思いをしていても、決して夫を追い詰めず、耐えて明るく振舞おうとするのです。

 現金がなくなり、出稼ぎでホームレスのように屋外で寝て、チンピラに有り金を奪われたり、辛酸の末、とうとう・・・

 という感動物語なんですが、この映画、妻への思いから無農薬のリンゴを作ろうと思った主人公以上に、それを支えた家族がさらにすごく偉い!と思わされます。

 山崎努さんが演じた義父の姿は、じ〜んと来ます。

 そして、津軽の風景が美しい。



 ただし、唯一突っ込みたいところがありました。友人は「長野のリンゴ栽培は最近だからそう言ったんでしょう」とフォローしていたけど、全国で青森県だけがリンゴ栽培にいそしんでいるようなナレーションでありましたぞ。 

 信州びいきな私なもので・・・

 それにしても、加入しているかなり安全基準にうるさい地場生協で販売されているリンゴでも、無農薬ではなくて、減農薬レベルなくらい、リンゴというのは栽培が難しいようです。

 劇中、農薬を使わないで済んだら、その分が浮くという主人公の台詞が2回くらい出たのも印象的でした。


 ちょいうるうるしながら見終えたあとは、お手ごろランチと100円ショップのナチュラルキッチンと300円ショップの3COINSとお安いところばかりでちょぼっとショッピングを楽しみました。


 帰宅してから・・・・カレドスコープ柄のボイルブラウスの本体完成! 丈を長くしたので、ややだぶだぶした感じになるので、後はおまけに残り布で細いリボン紐を作りま〜す。



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