友人のお声かけで、久しぶりにシネマ・ジャック&ベティに行きました。

 今日のお目当ては、はじまりは5つ星ホテルから

 垂涎ものの、5つ星ホテルの覆面調査員という美味しそうなお仕事をしている独身中年女性、イレーネの仕事ぶりと、中年になってはたと気づいた人生への惑いを描いた作品です。

 撮影には実際のラグジュアリーホテルが協力しているそうで、私なぞ、縁なき豪華なホテルが映るので、それを見ているだけで、なかなか面白いのですが、覆面調査員の小道具(埃をチェックする白い手袋をはじめとするツール)を駆使して、こまか〜いチェックをして、ノートパソコン(イレーネはベッドの上でラフな格好で打ち込む、ノートパソコンというより、ラップトップという呼び方の方がしっくりきます)に入力。

 部屋の掃除や、従業員がにこやかか、電話は何コールまでに出るかなどという、自分に向けてのサービスチェックはもちろんですが、あるホテルでは、ラグジュアリーホテルには場違いな雰囲気の若いカップルが、大切に扱われていない様子に気付いて、こんな顧客差別をするのなら、格下げをすると、支配人に言い渡す場面もあって、印象的でした。

 経済的に豊かでなさそうな、リピートしてくれそうもない、いちげんさんにだって、きちんとし対応をするのが一流なんだとピシッと言うのは、これぞ覆面調査委員の存在意義だ!と共感出来るエピソードでした。
 サウナで意気投合した、年上の学者である女性の思いがけない事態により、イレーネは、それまでも感じていた、仕事中心の自分の人生に不安を抱くようになりますが・・・。

 イレーネと対照的に描かれているのが、妹のシルヴィア。不安定な収入の楽団員の夫を持ち、女の子二人の母親。時として、反発しあいながらも、イレーネは妹の家族と接したり、何くれとなく連絡を取ったり・・・姉妹がいる人っていいなぁとよく思うけれど、この作品を見ても思いました。

 そして、元婚約者で、今は盟友のようになっているアンドレア。巡り会ってわずかな回数しか会っていない女性に子どもが出来て父親になる、という事態を相談されて、もともとは仕事を優先し、アンドレアと別れたのに、複雑な心境のイレーネ。

 いわゆる、バリキャリ系女性が、子どもを持つのが難しくなって行く年ごろになってから惑い、思いがけない事態によって、さらに不安に陥る気持ちが描かれています。

 自分の生き方はこれでいいのか?と誰でも(特に、結婚や出産でかなり人生が変わってくる女性は)思う気持ちを、シングルの側から描いた作品ですね。

 結婚した側の鬱屈は妹が代表してくれているようです。こういう服を買いたいというシルヴィアに対して「あんたには似合わない」といかにも地味な服をすすめる姉に「私はどうなのよ」と責める妹。結婚して、妻、母としてだけしか、見てもらえない女性の苦々しさがよく表れていました。

 大人(というか、中年というべきかな)にならないとわからない作品かも知れないですね〜。

 映画の後は久しぶりに、浜志”まん(はまじまんと読みますが、濁点を打っているのが面白い)で、ケーキセットでおしゃべりを楽しみました。消費税アップで、お値段上がってたけど、仕方ないわいっ!

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 プリンアラモードとカフェオレという組み合わせにしました。

 なかなか楽しい1日でした。

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