大雪かもよの気象情報に、無事に往復できるかと心配しつつも、超超久しぶりに紀尾井町に行って参りました。

  ホテル・ニューオータニまでは足を運んだことがあるのですが、本日のコンサート会場、紀尾井ホールは初めてです。

 川畠成道ニューイヤーコンサート、曲目は第一部が大作のクロイツェル・ソナタ。第二部は伴奏者の寺嶋隆也さん作曲のグリーンスリーヴスによる変奏曲、夏の名残りのバラ(庭の千草)、グノーのアヴェ・マリア、バスク奇想曲であります。
   美しいスケーティングとか美しい音楽に対するボキャブラリーが著しく欠けているとやっとこさ自覚したワタシなので、成道さんがますます超絶技巧に磨きをかけておられることと、いつまでも少年のような身のこなしながら、円熟味を増しておられることを書くくらいにとどめ、思い出を少々語ります(もっと気の効いたことを書こうなどと思うと、先延ばし癖が出そうな昨今です)。

   まだ祖母が元気だったころなので、もう10年以上前の事になりましょう。成道さんもまだデビューして日が浅かったじぶん、コンパクトながら室内楽の音色がきれいに響くホールを持った八ヶ岳のペンションで二度ほど演奏をお聞きしたことがあります。 

   その時に、かくしゃくと元気な祖母の手を取って、成道さんのお母様が「ご長寿にあやかりたい」とおっしゃったことが忘れられません。NHKでも特集されたり、徹子の部屋などで語っておられたとおり、10歳の頃、薬の副作用で極度の弱視になってしまって、そこからヴァイオリンを始められた成道さん。模造紙に音符をひとつひとつ拡大して書き下ろしたというお母様の支えは大きかったと共に、ずっと支え続けたいという切実な思いも抱かれていたのではないかと思います。

  今日の席は偶然、ご両親さまのお近くでしたが、お母様はあまり変わっておられず、成道さんを見ても、老けない家系なんでしょうね。(^^)  

  紀尾井ホールは室内楽向けの小ぶりで木目が美しいホールで、音の響きもきれいでした。なぜか針葉樹の香りがしましたが、私の気のせい?

  アンコールの曲が、ショパンのノクターン、チャップリンのスマイル、そしてひばり。  スマイルは浅田真央さんや織田信成さんが使っている曲。滑る彼らの姿が目に浮かびます(欲張りなので、サラサーテつながりで小塚崇彦さんが使ったロンド・カプリチオーソも聴きたいと思ってしまいました。(^^ゞ)。ひばりは本当にひばりのさえずりが聞こえてくるのでした。

  前回の雪、うちの近所は淡雪状態で、午後には消えてしまったし、葉山、横須賀に至っては全く降らなかったそうなのに、紀尾井町の日陰にはまだ雪の塊が小さくはなっていても残っているのに驚きました。こりゃ降らないうちに帰らないとね、で帰りはそそくさとなりましたが、良い土曜日となりました。

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