新聞屋さんがフェルメールかボッティチェリか、どちらかのチケットをくれるという事で、フェルメールいただきました。あとで、ボッティチェリの方が良かったと思わないでもなかったのですが・・・

 というのは、フェルメール、以前、東京都美術館で見た時に、小さな絵の前に人が群がって、殆ど見られなかったという印象が強すぎて、あの再現ではいやだなという思いがあったからです。

  そういうリスクもあるだろうし、誰かと約束しているなどの予定もないのに、東京都内へ単独で出向くと言う事が、もはや出来なくなっている身なので、母の親友をお誘いしたところ、初フェルメールとの事で、ありがたくもご一緒していただけることとなりました。

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 ものすごく久しぶりの六本木ヒルズ(そもそも、六本木ヒルズ自体に来たのがまだせいぜい3度めくらいでは?)。
   週末の日曜美術館の展覧会特集の冒頭で紹介されたので、激混みかもと懸念しておりましたが、そこまでではなかった。

  フェルメールとレンブラントという事で、オランダの黄金時代と言われる時代の絵画を集めた展示は、細密な風景画、静物画、肖像画、船舶(帆船)の画、などなどに分けてあり、動線が良い事もあって、作品の前に人が群れて動かないという事態はなく、皆さんお目当てのフェルメールもちゃんと見られました。

  徳川家栄光の時代と重なる時代の作品にしては、非常に状態がよくぴかぴかとライトを反射している作品もあれば、そこまでではなく、画面にうっすらひびが入っている作品もありました。いずれにせよ、芸術は長しというのを感じる作品群。

  フェルメールの画はとりわけ小さいこともあり、その区画だけは拡大して特徴を説明した複製画がかけられていて、そちらを見てから実物を見ると、見落としてしまいがちなポイントが分かるという親切な展示になっていました。

  ほわっとした色、画面の女性の穏やかなつつましい表情、部屋に入る明かりや、部屋の細部などなど、説明を見てから見ると、よくわかるのでした。

  何しろ昨年の上野の国立博物館の鳥獣人物戯画の2時から6時までかかって、兎と猿とカエルの有名な絵巻物をものの1分も見られなかったのではないか(あたかもベルトコンベヤーに乗せられたような感じでしたから、1分もなかったという思いが強く、10秒か20秒位な気もします💦)という状況から思うと、じっくりと見られて、いい意味で予想が外れてくれました。

 同行のおばさまも喜んでくださいましたわ。


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 展示を見終え、ショップも見終えて出ると52階ならではの眺望が楽しめます。朝は晴れてましたが、気象情報通り、午後には雲が出て来て、どよ〜んとしています。もちろん、富士山なども見えませんが、迎賓館やNHK放送センターなど、色々なよく知っている建物が見えました。

 なお、この展覧会、再入場は不可能との事ですので、くれぐれもご注意を。

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  蛇足ながら、小塚選手や浅田選手、そして宮原知子選手のマネジメント会社IMGの入っているビルも見えましたよ〜。 ↑

 その後、麻布十番でやや遅いおひる。お蕎麦やさんでご馳走になってしまいました。そのお蕎麦やさんは、ほぼ3年近く前に「マウストラップ」を見る前に入ったお店で、おばさまと今は亡きおじさまが一緒にお蕎麦を食べた懐かしのお店でもあるそうでした。

 食事の後、お茶でも・・・で困った。そもそもたい焼きの浪花屋で1尾買って、立ち食いを楽しみましょうという目論見が定休日で外れてしまったあたりから、ちょっと怪しい雲行きだったのですが・・・。

 イメージ的に、あんみつなど食べられる甘味処があると思っていた麻布十番なのに、全く無いのです。土地鑑がない人間でもわかる表通りにあるお店は見事に全国チェーンばかり。スターバックス、カフェ・ド・クリエ、上島珈琲、タリーズ、などなどに加え、マックにガスト。さすがにガストには寄りませんでしたが、後は全部満席という状態。
  
  洋菓子、和菓子(風)などの物販店はありますが、お上りさんが長っちりでお茶をしたいという店は、全国チェーンでないとなり立たなくなっているのでしょうね。

 うろうろ無駄に動いて、諦めて、帰り道の途中下車でと、思い始めたところ、小さなオーガニックな雰囲気のあるカフェ、Hudson Market Bakersを発見して、そこでめでたくお茶出来ました。若い人好みの店で、椅子などもちっこくて、ゆったりはしていないのですが、コーンブレッドがタマゴの香りがして、なかなか美味でありました。

 その後、地下鉄の駅がある大通りに出たら、そこには個人経営と思しき喫茶店がありましたが、それにしても、麻布十番、おまえもか、です。今や日本の大都市部、地価が高いと言われている場所はどこもかしこも全国チェーンの喫茶店ばかりになっているのかしら?とガッカリ。

 全国チェーンも一定水準を満たしていて、財布とかトイレなどの面ではありがたいのですが、やっぱり、何といっても、素敵な個人店がある町が素敵です。


 とはいえ、本日も楽しい1日を過ごすことが出来、感謝であります。いまどきの平均寿命からすると短命だった母ですが、その分もおばさまにはいつまでもお元気でいてほしいし、ぜひまたどこかへとお約束をしてお別れしました(超低レベルでお恥ずかしいながら、昨日編んだネックウォーマー、ご入用かお尋ねしたら、喜んで引き受けてくださいました)。

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