このままだと、息苦しい世の中になりそうな予兆を感じます。

 私たち世代は、親が欲しがりません勝つまでは! 贅沢は敵だ!で青春時代を塗り潰された人が多く、その分、敗戦後の開放感に浸り、またそれまでの理不尽に対して反発したのを受けている世代かと思います。

  どうも、親がその上の世代だと、戦勝気分と些かの好景気も味わっているせいか、あの時代はよかったと肯定的な方もいて、また、立場により戦中の苦労、敗戦の苦労を他より少なくしか味わってない方もいらっしゃるようで、その子、孫の中には驚く程、保守的だったり、戦争になる事に対する危機感に乏しい方もおられるように思います。
 
 最近、そういう言葉でははっきり出されていないのですが、公序良俗を守るべしという気運が密かに盛り上げられているのを感じます。

 そりゃあ、公共の場で裸踊りなんかして欲しくないし、正直、電車の中で化粧するってのも、私からすると公序良俗に反していると思うのですが、そういう表層的な事ではなくて、親に孝、君に忠的な、家父長制時代の公序良俗の復活復権を目指しているのではないかと言うのを感じます。

  認知症の親御さんを家族が擦り切れそうになっても抱え込むとか、女だって言うだけで、自分の親は元より旦那さんの親の面倒もみることを陰に陽に求められたり、という理不尽な事態も、財政難の折、誰かの犠牲によるただ働きという事で、経費節減になるし、でひっそりと、しかし、じんわりとそっちへ行かせたい向きを感じます。

  戦前は嫁いだら嫁ぎ先の事優先だったから、それは女性にとってはつらい事ながら、多重介護や共働きなのにさらに介護での
疲弊は減量出来たかも知れません。しかも、そう言っては何ですが、当時の平均寿命は今よりずっと短かったし。

  加えて、嫁自身には権利がなくとも、長子相続で、介護をした世帯が財産をもらえるというメリットはありました。

  今は介護をしようとしまいと法律上は同等に相続出来るし、しかしながら、嫁には相続権はない、という、戦前と戦後の悪いところ取りのような事例も見かけます。

  
  現状のままで、戦前の家制度的な公序良俗を求められたら、女性は潰れてしまいます。もちろん、男性で真剣に介護に取り組んでおられる方も少なからずいらっしゃるとは思いますが、親御さんの介護が必要になる世代では、夜討ち朝駆けみたいな働き方をしている男性が多く、どうしても女性に負担がかかりがちになります。

  しかも、土台がしっかりしてないのに、一億総活躍なんて、頑張っている人をさらに鞭打つような言葉が出て来ている訳で・・・・・😥

  
  ひとつ知っておきたいのは、相続権がない者には扶養の義務もないという事。

  そこを抜かして、公序良俗だから、日本の美風だから、老人は家族で世話をするべしと持って行きたい方々もいらっしゃるようですが(そういう事を言う方は札びらを切って恵まれた施設入所出来る方か、自らは何の苦労もしていない方のようです)、もし、お嫁さんの立場で、人間的に尊敬出来ないとか、嫌な思いをさせられた義理の親御さんの面倒は見たくないというのなら、このことを思い出してください。

  もちろん、この葵の印籠を切り札にしたら、相続には一切口出し出来ませんが。


  相続に関し、介護やお世話をした人は請求権を持つという風に改訂する動きがあるようですが、逆に、その権利を持つなら世話をしろよという圧力に繋がらないように注意して見ていたいと思います。