ご高齢の方と近しい方の中には、時間構わずの電話攻勢に参った経験がおありの方もいらっしゃるのでは?

 私もかつて、今にして思えば、認知症の走りだった祖母が90歳代後半になって、とんでもない時間に電話をかけてくるのに参ったことがありました。

 私の場合は孫という事で、ワンクッションあり遠慮も働いたと思うので、電話は最長45分くらいで済みましたが、娘という立場の友人の場合、複数の人が1時間じゃお釣りが来ない長電話に泣かされているのを見聞きします。

 なんなんだぁ〜、娘だからって自己チューぶつけるなよ!と言いたくもなりますよね。

 医療や福祉関係者でもそのような思いをされている方もいらっしゃるかと思います。

 
 昨年までは、あくまでも「被害を受ける私」気分で「なりたくはない高齢者の姿」だったんですが・・・・
 
 う〜、私もやっちゃうかも、なっちゃうかもと思うようになったのが昨年。

 というのは、記憶力がガタ落ちになっているのに愕然としたのが昨年だからです。

 子どもの頃から、あまり覚えていなくていい事まで覚えてしまう記憶力の持ち主でした。そんなにめちゃくちゃいい記憶力という程ではないですが、人並み以上ではあったようで、「よく覚えているね」と友人から言われる事もままありました。

 それが・・・・

 何と昨年、おたおめメールを送った兄嫁から「まだ早いですがありがとう」と返信が来て、はっと気づくと、な、なんと1か月前倒しでおたおめメールを送っていたのでした。6月と5月を取り違えるなんてありえない〜! それ以前から、置いた場所を忘れる、書類が出てこないなどが頻発。特に甚だしいのが「用事があると思って取りに行ったのに、途中で何かあったら、もう主目的を忘れて、手ぶらで戻って来る」こと。

 それで気付いたのです。

 あ〜、記憶力が失せないうちにと思うから、高齢者は時間構わず相手都合を考えず、連絡してくるんだ。そして、記憶力が失せてるから、同じことを何度も繰り返すのだ、と。

 しかし、その一方で、自分の言いたいことは相手の都合を考えず伝えたがるくせに、「その話はあとで」とか「今は無理」などと言って、相手の話を聞きたがらないから、ものすごい自己チューに見えます。

 それもわかりました。

 要するに、相手の言ってることを理解し、咀嚼する能力も記憶力と負けない、いや、勝てない程に衰えているから、面倒くさくて聞きたくないのだ。

 しかし、プライドがありますから、もしくは、自分が衰えていることは分かっていないので、能力ダウンは認めません、気付きませんから、ごめんなさいの言葉もないわけですから、先方には、現状能力維持のまま、自己チューに振る舞っているとしか見えないのですね。
 

 と考えると・・・少しは優しい気持ちで、一見タカビー自己チューの高齢の方と接しなくては、とは思います。


 が・・・・が・・・・問題は、こちらも加齢に基づき、だんだん辛抱強さというものが減っている事です。

 もともとせっかちな人間は余計に辛抱強さと離れて行きますから、自己チュー風ふるまいをするのに、もたつく高齢者にはイラっとして、荒い言葉をかけたりしがちですが、そうなること自体、自分自身が老化しているんだという事を自覚しておかないといけないですね。


 それにしても・・・・記憶力の衰えを何かでカバーしなくては。

 メモの励行。それと、オートマティックに行動するのはやめて、一呼吸おいて「今、●●をここに置いた」と頭の中で一度確かめておくことが必要そう。 忙しい時はついオートマティックに動いて、心ここにあらず(だから、忙しいと書くのですけどね)になりがちですが、出来るだけ、心を動かしながら、生きていきたいものです。

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