午前から昼過ぎは野暮用(用事の中身は別項でアップするつもりではおりますが)、タイミングがよかったので、その足で「ボブという名の猫」を見ました。

  久しぶりの映画です。

  毎日が日曜の人出現以降、映画も行き辛くなり(行くな!と言われるのではなくて、自炊出来ない、やる気もない家人なので、あくせく帰って夕食支度するのがやだ!という訳で、親世代またはそれを踏襲する価値観の方々からしたら、贅沢呼ばわりされますな💦)ましたが、今年後半は鑑賞頻度上げたいので、リハビリです。
  NHKのあさイチでも紹介されていたようですが、イギリスの訳ありホームレス青年が野良猫と出会い、どん底人生から立ち上がったという実話ベースの物語です。

  観光都市としても名高いロンドン。その昔わずか一泊、絵はがきや写真集を見ていた方がマシというレベルで行った街ですが、観光名所とは全く別の、吹きだまりみたいな場所も映ります。

  本物か演出か、ホームレスの姿が。

  恐らく日本のホームレス事情とは違うのでしょうけれど、イギリスでは青年ホームレスの場合、薬物依存症の事も多いようです。つらい日々から逃れるために薬物依存しホームレスになるのか、ホームレスになって薬物依存するのかは定かではありませんが、主人公ジェームズは前者。

  両親が離婚、父親から捨てられた感から転落してようです。ストリートミュージシャンをしつつ暮らしていますが、誰も足を止めず、たまに投げ込みがあるとゴミだったり。昔の仲間からの誘惑に負け、つい薬物に手が出たり。でも、抜け出したい気持ちはあります。

  依存症から何とか立ち直りたいと彼が通う治療機関の担当者ヴァルが「ダウントンアビー」で芯が強く可憐なメイド、アンナを演じたジョアナ・フォガット。

  一目で彼女とはわかりますが、アンナとは相当違うキャラ。時に冷徹に叱咤激励しますが、心底に優しさを秘めているのはアンナと同じ。

  彼女の計らいで、自立のための住まいを手配して貰った主人公。やっと安眠出来る家を得て、バスタブでのんびりという時に侵入者の気配が。

  そこは薬物に手を出したがゆえの様々な経験、お世辞にも治安が良いとは言えなさそうな町のアパート、並びに依存症の副作用ゆえの恐怖のたかまりもあってでしょう。身構えて恐る恐る部屋の中に入り、不審者を確かめようとしますが・・・

  大山鳴動してネズミ一匹ならぬ猫一匹。いわゆるキジトラ、長尾の、日本人にもなじみ深い容貌の迷い猫。ウ゛ァルが新居入居に当たり買っておいてくれたシリアルをむしゃむしゃやらかしていたのでした。

  我が身を養うのも危ういのに、猫まではと、飼い主を探すも、それらしき人は現れず、仕方なく外へ出したけれど、その猫はケガをして戻って来ます。ケガの動物をどうしたら良いか困り果てた時に頭に浮かんだのは、何匹もの犬を連れて散歩させていたちょっとエキセントリックそうな容貌の近所の女性。

  彼女から無料獣医の存在を教えられ連れて行くものの、診察だけが無料、薬は有料。街ですれ違い、後妻に気を遣い、紙幣を握り込ませて立ち去った父からのなけなしのお金が目減りする一方、この猫がジェームズにとっては相棒になりました。

  ボブと名付けられたこの猫を連れて歩く事で、ジェームズのどん底人生が変わって行きます。

  途中、かつてのクスリ仲間の死や、やっかみ、父の家族とのトラブルなど辛い出来事もいろいろありますが、ハイタッチ出来る猫、ボブは現代の招き猫。それらを乗り越え、幸せな方へ。

  このボブ君、実在の本編主人公の猫で、本人ならぬ本猫がご出演だそうですが、さすが福猫! ハイタッチもですが、演技力がすごい!

  ご本猫がいたって普通のそこらの庶民が飼えるご容貌であるだけに、わー、かわいい!おりこうさん!感もひとしおです。

  日本人と違い、ハタチ過ぎればオジサン感の強い欧米人。ヒゲ面に背中に大きなタトゥーのジェームズもぱっと見はそんなに若くは見えませんが(またタトゥーも日本と違い、反社会的勢力だけのものではないのですよね。隣人ベティの手首にも辛い経験から得たメッセージのタトゥーがありました)、実は若くて繊細、だからの転落と見ているうちにわかりました。

  ベティを演じた女優さん、実生活でもジェームズを演じた俳優さんのパートナーらしいですが、アイメイクバッチリで、ヒット曲を飛ばしていた時代の中島美嘉さんを思い出しました(*^-^*)。

  これは猫好きな方は見逃せない作品ですね。

  猫が主役と言ってもいい作品では、「ハリーとトント」を思い出しますが、あの作品では二人(?)の関係が切ない形で終わりますか、こちらリアルタイムで続いているらしいのが良いですね。
  
  しかし、一方で、そういうハッピーエンドが望まれる世相=現実は辛いよ度が増しているように思う気持ちもあります。