興奮しすぎて目がさえてしまったものの、布団の心地よさに助けられ入眠。

  俵屋旅館は古い日本の良さと、ハイテクな部分を併せもち、例えばトイレは自動で蓋が開く最新式ですし、就寝時には電動式の暗幕が窓の外を覆ったりする一面がある一方、浴槽やふろおけ、腰かけは今どき珍しい木製(それがヒノキなのだか他の針葉樹なのだかわからないのが情けないところです)であり、脱衣所も兼ねた洗面所では、ハンガーの1本1本に匂い袋が吊るされているけれど、洗面台の上には拡大鏡が置かれ、シンプルさで採用されたと思しき無印のドライヤーが棚に入っていたりします。

  部屋の入口に近いところはソファーと窓に面した書きもの机がある洋風、一段上がった和室は本当にものがなくてスッキリ。俵屋旅館について書かれた本が3,4冊置かれています。テレビは何と床の間の棚に収められていました。

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  食事の時間はあらかじめ仲居さんにお願いした通り、8時半からですが、朝からたっぷり。湯豆腐や干物が二種類も出て私だったら夕食でも十分なレベル。しっかりいただきました。

 チェックアウトが11時なので、あたふたしないで済みましたが、友人が荷物を自宅宛てに宅配で送るという事で、私も送る事にしました。俵屋さんでは大小2種類の箱を用意していて、部屋まで届けてくれます。

 俵屋さんのサービスを見ていて、つくづく思った事は読書ブログに書きましたが、理想の家庭(富裕層の、と添えるべきかも知れません)を体現しているようなお宿なのですね。私が普段泊まる格安ホテルや、ビジネスホテルが、極力省力化をはかり、利用者が自分でできる事はする、あるいは利用者がしたくなさそうな事は省く(布団を自分で敷くかわりに、据え置きのベッドに寝る等)方向で低価格をたたき出しているのと比べ、人手をかけて、行き届いたもてなしをするお宿なのです。

  日本の女性を妻にするのが男性の最高の幸せ(日本の家に住む事は不幸だそうですが(^^;)というジョークがありますが、日本女性が妻として求められる究極の姿を体現しているようなお宿で、心を射抜かれる人が特に外国からのお客様に多いというのもうなずけます。

  チェックアウト時間ほぼぎりぎりにお宿を発ちましたが、担当の仲居さんをはじめ、従業員の方たちのご挨拶があり、最後に立ち姿も美しい洋装の若女将からのご挨拶もありまして、なかなか優雅な気分でした。

  今日もまたお宿から速攻でタクシーで移動したい意向もあった友人を説得し、四条通までぶらぶら歩きして、四条通でタクシー拾いましょうと提案(ちなみに、タクシー代は「私の都合で利用するのだから」と全部友人が奮発、恐縮至極です)。鳩居堂の本店に寄ったり、寺町京極のお店をチラ見しつつ、花遊小路にあるはあと・フレンズ・ストアで少々お買い物。二階で売っていた刺し子のふきんがとてもかわいくて、猫柄とバラ柄を選び、一階のお菓子も少々購入。友人は刺繍のブローチお買い上げ〜♪

  はすむかいのよーじや本店も覗きましたが、友人が買いたかった白粉の詰め替え用の扱いは四条通のコスメ店か高島屋にしかないとの事で残念!

  四条通に出ると、すぐにタクシーが来てくれて、友人の希望で五条坂界隈にある河井寛次郎記念館へ行きました。私は今回で3回目ですが、好きな場所なら何度でも行きたい派なので、嬉しいです。

  ここは娘時代に家族旅行で来たのが最初で、民芸運動の陶芸作家のひとり、河井寛次郎の窯でもあり、住居でもあったところで、黒光りする柱など、どっしりした造りが魅力的です。ガラスケースに入った作品もありますが、部屋の中に飾られた作品もあり、まさに「用の美」を唱えた民芸運動ならではのたたずまいです。

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  奥まったところに登り窯があります。清水寺界隈はもともとはこうした窯がたくさんあったのが、都市化が進み、煙の問題なども起こり、山科の方に移転したと聞いたことがありますが、こちらの窯も遺跡です。積み上げたレンガが釉薬でピカピカ光っていたり、低いところから熱が上がって行ったのだろうなぁというのが分かる構造で、今は何も置かれていないところはくぐる事も出来ました。

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  骨太でシンプルなたたずまいの美しさを堪能した後はタクシーで京都駅に移動。私ひとりだと、ついついガツガツと動き回り、夕方遅めの新幹線に乗ってしまいがちですが、今日は気温も高く、夏みたいな陽気で、友人も若干疲れが見えてきました。無理は禁物!

  烏丸口で降りて、JR伊勢丹のレストラン街に上がり、並ばず入れる中華料理をいただきました。京都の中華料理店の良いところは、中国系の方たちが「んなもん!」と敬遠されるのか(私どもが海外で日本料理店には行きたくないようなものですな)、混まない点であります。そして、京風の世界から、現実に移行できる料理でもあります。(^-^)

  お土産は殆ど買わない私ですが、友人が前回来た時、行列が凄くて買えなかったという551蓬莱の豚まん、空いていたので、シュウマイと共に、夕ご飯用にちょこっと買いました。新大阪で買って、新幹線車内で食べてひんしゅくモノと少し前に話題になった豚まんです。ので、食べないで持ち帰りました。

  新横浜から我が家までは実にいろいろなルートがあるのですが、今日は無事に旅を終えるのを見届けるべく、お嬢さん夫妻が出迎えに来られるという駅まで一緒に行ってから、帰宅しました。

 豚まんもシュウマイも美食三昧の後には1個ずつ食べるくらいが、ちょうど良くて、美味しかったです。

  いつもの自分のガツガツ旅とはまた違う、優雅な旅ではありましたが、何しろ夏の陽気だったので、爆睡! 濃くて楽しい2泊3日でした。ヽ(^o^)丿

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