ネットを見ていたら、吹きかけるだけで布製品の洗濯が出来るような印象を与えていたという某大手メーカー製品の広告が見られなくなった旨が書かれていました。
もとよりろくに広告を見ないので、全然知らなかったCMなんですが、このコラムを見て思ったのは、家電のこと。
今年の猛暑を覚悟して、いい加減お疲れのエアコンを買い換えた話を書きましたが(なのに、冷夏かもと聞いて、えーっ!て感じです。もちろん、個人的な事以上に農作物の出来が心配ですが)、その時の販売員さんとの会話が印象に残っています。
最近のエアコンにはお掃除頻度を減らせる機能が付いているけるど、だからって掃除しなきゃダメですよねー、という辺りから、洗濯機だって、買う時にキラッとだのカラッとだの何ちゃらかんちゃらでカビの発生を抑えるとうたいながら、しっかり黒カビ生えちゃうじゃないですか、と、ものの例えとして申し上げたところ………
あれはカビが生えないなんて事言ってない、と販売員さん、真顔で言われ、一瞬険悪な雰囲気になりかけました。
ヤバいと思い話を変えました。一瞬で笑顔を取り戻す販売員さん。その後はずっとフレンドリーかつスムーズに話が進みました。
けど、本心は、あのアピールを見て、カビとバイバイできるか、最低でも一年やそこらはカビ生えを見なくて済むぞー!と思うのが普通の感覚じゃないかなぁと激しく疑問を感じてました。
もしかして、私の読解力がめちゃくちゃ低いんですかね?😅
たまたま八ヶ岳の家と自宅の全自動洗濯機を買った時期が割合と近くて、それぞれのメーカーのアピールやキャッチコピーでカビの発生しにくさを見ていたのに、律儀な黒カビが出現しまったので、なおさら、家電の高機能アピールは裏切られる感を抱いてしまったので、量販店で出てしまった言葉でした。
家電を離れて、美容、健康、教育関係になると、出来そう、なれそうアピールと実態の乖離がさらに激しいのではないかと思います。
最後は悪いのは製品じゃなくて、使い方、使った人の努力度合いってことになりそうです。
それは正しいんです。そうじゃなかったら大概の製品は誇大広告として何かしらのお咎めを受けてることでしょう(そういえば、高度経済成長期の子ども時代には誇大広告と言う言葉を耳目にしたのが、最近はとんとご無沙汰、最早死語(笑))。
果報は寝て待て、とか、黙って座ればピタリと当たる!は通常あり得ません。
ですが、それを使いさえすれば、極端な話、買いさえすれば、今の自分と違う自分になれる、とか子どもかお勉強好きになれるとか、お掃除しなくてオッケーってな錯覚を抱かせてくれるからこそ、安からぬお金を払って商品やサービスを手に入れたい気持ちになるので、そこんところを錯覚させるのがコピーの力なのでありましょう。
(文化人として名前が上がるクラスの著名なコピーライターさんは、事実誤認させるようなあからさまな言い回しはせず、その気になる雰囲気を醸し出すのがお上手なのだと思います)
この傾向は付加価値が付きお値段をアップ出来た製品やサービスに顕著だと思います。
全部が全部、不必要と言う気は無いですし、うたい文句通りになれば万々歳ですが、往々にして、使いこなせない、うたわれている機能を発揮しないモノやサービスに惹かれてしまうのは、やはり事実誤認を招くギリギリの表現があふれているからではないかと思います。
だいたいは販売員さんが言う、あれはそんな事言ってない!(=そう思ったアンタがおかしい)と逃げを打てる表現で収まっていますが、今回、問題になった商品は、ギリギリを逸脱してアウトなキャッチコピーを使ってしまったようです。
このシブチンがこの年になっても、まだ引っかかる事があるのですから、人生経験が少なかったり、素直な心持ちの方たちはなおさら引っかかっておられることと思います。
どうも話がうますぎる、努力しないで楽過ぎる話は鵜呑みにせず、疑ってみないといけませんね。
ってな事を改めて思った話題でした。