今年もお中元の季節になっているようであります。

  あります・・というのは、DMや折り込みチラシを見てそう思っただけで、我が家ではとっくのとうにお中元は廃止しているので、よくわからないのです。

  実家もお中元はあまりしていなかったと思いますが、我が家でお中元をしていたのは、結婚当初数年間、仲人さんにお送りしていたレベル。家人の勤め先も上司部下や取引先と個人との間で、その手の品物のやり取りを必要としないところでした。
  お仕事の内容やお勤め先、各ご家庭の事情もいろいろでしょうから、一概に不要とは言えないとは思いますが、私がお中元、お歳暮が虚礼ではないかと考えてしまったエピソードがあります。

  それは・・・

  人形作家だった祖母のもとへ通ってくださったある生徒さんのお話。その生徒さんは祖母より年下だったのに、だいぶ前に亡くなられましたが、某大手企業の幹部の奥様でした。
 
  ある時期、我が家ではとんとお目にかかったことのないオマール海老とか、豪華な食材が食卓に上ったことがありまして、オマール海老の調理法もわからず、今みたいにネットで検索も出来ない時代で自称料理上手の母がワタワタしていた記憶がありますが、どうしてそんなものがうちにあったのかというと、お弟子さんからいただいたとの事でした。

 そして、母が語るのには「もう家では食べきれないほどのものが各所から送られてくる。仕方ないから捨てていた」というショッキングな話。戦前生まれの奥様としては、食べ物を捨てるのは誠に心苦しかったと思います。なので、お裾分けとして我が家にもいただいた訳ですが、それでもさばききれないほど、お中元、お歳暮の季節にはモノが到来して、ほとんど苦痛レベルだったみたいです。

 うっかり人に差し上げる訳にもいかないし、という奥様の編み出した最終的な方法は、伝票を見て、何が送られて来たのかわかる場合は、判をついて、伝票をはがして、そのまま宅配の配達員さんにあげてしまうだったとか。中身が分かれば、それなりのお礼状を書けるからという事だったようです。

 その後、長期の不況に入りましたので、経営幹部といえども、そこまでの品物の山に囲まれることはなくなっていると思いますし、宅配についてもルールが厳格化しているので、そういう配達員さんにとっては美味しい話はなくなっているかも知れませんが、とにかくものすごく頭にこびりついたのは「過ぎたるは及ばざるがごとし」「お中元、お歳暮もかなり罪作り」「形式的なギフトは必要か?」という事でした。

 我が家のように、モノのやり取りが少ない家庭でも困ったなと思ったのは、冷凍冷蔵を要する食品が集中した時でしたし、消耗品とは言え、油抜き料理が多い我が家で食用油がドカンと来た時も、あちゃ〜でした。

  なので、相手の暮らしぶりのわからない方に、形式的にモノを送るのは考えるようになりました。

  お中元は早々にやめたものの、お歳暮は受け取る方が喜ぶとわかっているこれに決めて、家人の定年退職までは細く長く続けておりましたが、今はごくごくわずかな、本当にお世話になっている方にだけ、お歳暮という形ではなくて、だいたいクリスマスからお正月にかけての、先方のご都合の良いときに届くようにして、年に一度のお楽しみという感じでお送りしています。

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  で、最近、思うのは、あらたまったギフトより、人間関係を豊かにするのは、ちょっとしたギフトだなという事。

  モノ余りの時代ですから、よかれと思って贈ったものが、断捨離対象になることもままあるので、相手の暮らしぶりや好みが今一つ分かっていない場合はほぼ消えモノ、それも野菜中心です。(^-^)

  昨日も八ヶ岳からの帰宅時、談合坂サービスエリアのやさい村に立ち寄りまして、八ヶ岳に行く前えらくお高かった(1本95円もしてたもん)キュウリ3本100円〜120円くらいを買って、ご近所の方にちょこっと差し上げました。お値段的に貰い手の負担にならないし、鮮度は自宅界隈で入手するものより良いし、確実に消費できるので、自分がいただいても嬉しいし、恐らくお相手もそこそこ嬉しいのではと思っています。

  好みがわかっている友人だと、変わり種野菜とか、時にはパンなどもありです。あくまでも消費期限、賞味期限内に渡せるが条件ですが。

  人付き合いをしていて思うのは、やっぱり聖人君子ならぬ身としては、ギブ&ギブはいやだし((笑)、でも、いつでも一方的にいただくばかりもつらいものです。

  私は車に乗せて貰ったり、八ヶ岳に滞在中、受け取れない生協のチラシをまとめて貰ったり、ご実家からのお野菜のお裾分けをいただいたり、何かと人のお世話になることが多いので、そういう方たちに出来るお返しはしたいです。とはいえ、速攻でおかえししましたっ!ってのはえげつないと思うので、何かの折に・・・というパターンです。

  中には知識でお返しするもあります(主にPCや詐欺はがきの対応、お得情報など。それに対して、お茶やお菓子でおもてなしいただくことも(^^ゞ)。

  また、後日、モノでお返しでは迂遠すぎると思う時、例えば車を出してもらうなど、特別な労力を払って貰ったりしたら、割り勘にはせず、高速代を持つとか、休憩時のお茶代を払うなど、その人がくたびれ損に感じないで済む最低限の気配りはしようと思っています。


  人間関係で人が遠ざかるのは、いつもしてもらう事ばかり考えて、自分からは何もしない人だと思うのですが、労力と時間の提供が叶わぬ場合は、お礼の何かでねぎらうというのはありだと思っています。

  お中元・お歳暮という習慣が今一つ好きになれなかったのは、下心あり過ぎだったり、商習慣として、形骸化していたりという弊害の方を強く感じたからなので、時にはモノやお金を差し上げて、感謝の気持ちを表すことは大事だと思います。


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 お題とちょっと離れちゃいますが、モノやお金以外での忘れがたい贈り物は、ほかの人が面白おかしくずかずか土足で踏み入って来そうな人生の弱り目に祟り目みたいな時、さりげなく励ましになる言葉をかけてくれたり、何気なく助けてくれたりした人たちの言動で、中にはもう二度とお会いすることはないだろう方からかけていただいた言葉もありますが、感謝の気持ちは一生忘れません。

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