今日はちょこちょこ細切れに土いじりしました。

     以前、敷地に生える草に対するえこひいきについて書きましたが、とてもひいきしているのが、すみれです。

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    母が愛した花というのもあります。母はパンジーやビオラと言った園芸種以上に、こんな風な野のすみれが好きでした。

    形見の品にはすみれ柄の七宝焼きのコーヒースプーンとお揃いのフォークのセットもありました(が、今春、ようようにして今世では使いきれぬと判断、友人か欲しいとの事で差し上げました)。私が結婚祝いにいただいたすみれ柄のティーカップ五膳と手持ちのティーカップを取り替えたこともありました。

    私自身も子どもの頃から、春を告げる花として、可憐で慎ましげな姿が好きでした。

     決して弱い花ではないのは、路肩の隙間から花を咲かせたりする事でわかるのですが、すみれの花のじゅうたん、とか、すみれがいっぱいという風景は見た事がなくて、ほかの勢いの強い草の中でおずおずと咲くように見えました。

     対しまして、この草は強い、どんどん増殖します。

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   チヂミザサです。笹の葉がチリチリっと縮んだように見えるからの命名らしいですが、イネ科です。

    イネ科の植物のうち、雑草に分類されるものはホントに強い。夏の終わりになると穂先からたくさんのタネを撒きます。

    イネ科の仲間の米があんなに栽培が大変なのは、食用として高度に進化発展させられたからでしょうかね。

    このチヂミザサ、私が初めて見たのは八ヶ岳に来た時で、その時は感動したものです。あー、高原の風景を形作る自然のグランドカバーだ!

    というくらいに思ったのは、それまでの人生、割と都会的な場所しか知らなかったから、或いは単に目に入らず、見ていなかっただけらしいです。

    よく行く近所のコミュニティカフェの庭からも顔を出しているし、この写真のは義実家の玄関前から顔を出していました。

    どうも、最初の印象とは違い、全然希少価値が無いようなのです。と言うのはわりと早くにわかりましたが、そうなると、現金なものです。増殖力がすごいのですが、抜くと小気味良い音を立てて、すんなり抜けてくれるので、結構楽しいです。今までもぶちぶちやって来ましたが、この夏は一段と気合いが入ります。

   これがまた、何としたことか、すみれのそばに生えて来ます。

   ひょっとするとすみれと共存している可能性もありますが、チヂミザサの方が勢いが強く、一面に繁茂してしまうと、すみれは隠れてしまいます。

  去年の夏、敷地の木を伐採する際に重機のための鉄板を敷いたところは、しばらく土だけになっていましたが、今や草だらけで、すみれ、チヂミザサ、タケニグサ、そのほかに、グランドカバーにしようと今春植えたツルニチニチソウに実生でごちゃごちゃです。

    面積が広くないから、腰が痛くなりかけでやめるレベルで、ぶちぶちっとチヂミザサを抜き、抜けない草木は花ばさみでバッサリとやり、すみればかりに陽が当たるようにする偏愛ぶりです。

    自然界では、一時的に繁茂した植物はある時からぱったりと減ってしまったりします。

   人が手を入れて、好みのものだけ残すのはいかがなものかと思わないでもないですが、どうなるのか確かめてもみたい。
     
    鶴の恩返しならぬ、すみれの恩返しで、ある日、巨大なすみれがやって来たりしたら…………ホラーかしらん(^^;;

     などと妄想しつつ、ぶちぶちしました。

    来年の春、濃い紫や淡い紫など、すみれだらけを見たいのですが、果たして実現出来るでしょうか?