飼っている、と言うのが初めて知ったシルバー川柳の入選作で一番気に入った作品でした。

   2011年、あの大震災の年で、私はまだ50代前半だったのに、わぁ、うまい!座布団10枚!と言いたいほどピッタリでした。
      歯が良いのが唯一最大の自慢な反面、目の方は子ども時代からおそらくはアレルギー性結膜炎となるところを汚い手でこすってのものもらいから始まって、アレルギー性結膜炎を散々やって、アラフォーくらいからはすっかり蚊を飼いならしていました。

    耳もいつしかジージー音が響くようになったのですが、元が能天気なのか、エアコンが無かった時代、夜に電車に乗ると窓の外から聞こえてくる虫の音みたいだ!(今は住宅街を走る複線の横浜線、子どもの頃は単線で田んぼの中を走っている田舎の電車感ありました)と思うと、そんなに気にならないのです。

    基本的に何かに夢中になると聞こえなくなるし、聞こえそのものが悪い訳ではないので、静かな場所で手持ち無沙汰な時に気になるくらいです。

    ただし!

     聴力なんだか集中力なんだかわかりませんが、明らかに聞き分け能力は落ちてます。

    その昔、若かりし頃には

息子1『お母さん、そこの取って』
夫1『今日は傘がいるかね?』
息子2『牛乳飲みたい』
洗濯機『ピーピーピー……』
換気扇『ドワワワワワ……』

    と言うレベルの多重音を聞き取り、必要な情報を拾い集め、何とかやり過ごす、聖徳太子には及ばずとも、あちこちからする音を辛くも集音出来ていたんですが。

   それがこの一年くらいで、とみに聞こえなくなりました。

   家人が居間で何かわーわー言っていても、台所で換気扇回っていたらもちろん、電子レンジか水道の音か、何かあればもう単なる音としてしか聴こえて来ません。

   いや、本当のことを言えば、結界にしたのれん一枚で聞こえない。

   厳密に言えば、部分的には聞こえますが、肝心の部分が抜ける。

   居間からさらに離れたら、もはや何が何だか。

    大好きなナルニア国ものがたりの『魔術師のおい』の中で、主人公の少年の(自称魔術師)自己チューな伯父、アンドルーが、創世記のナルニアで生まれ出たばかりの動物たちが言葉を話すのに、そんなバカなと思い続けた結果、単なる唸り声や吠え声にしか聞こえなくなってしまったくだりを思い出したくらいです。

    ひょっとして、中途半端に聞こえてくるので聞き返すとキレていた家人の話を、もうめんどくさいとスルーして平和を得た見返りのアンドルー伯父状態なのでしょうかねぇ💦

   イヤイヤ、やっぱり加齢なんでしよね。

   そして、小さな声で言いますが、私だって滑舌悪くなって来てるし、言葉が直ぐに出ない現象が時々出現してますけど、家人はなおさら。

   もともと、頑固親父だった義父から『もっと、しっかり話せ』とどやされていたくらいモソモソ話していた家人なので、もはやモショモショとしか声が出ていないことが増えているのです。

    加齢×加齢の結果、元プチっと1/2聖徳太子くらいだったのが、もはや1/1ですら甚だ怪しい状態になるのは致し方ないのかも知れません。

    なお、子育て中の女性は、ワンオペ度が高いほど1/2聖徳太子状態になりがちなのではないか、と経験と周囲を見回して思っていますが、立証は出来ていません。(^^;;

    前にも書きましたけど、子育て時代には聞こえないと困った事態になる事が多かったけれど、今や聞こえなくても障りなし、聞こえない方が平和なくらい、つまり、生存に関わらない機能はドンドン落ちてるようなのです。

   それも加齢、あれも加齢。

    おんなじ音なら華麗とかカレーが良いんですけどね。f^_^;