おじきしているみたいなまん丸のワンコ、和もの好きな方ならご覧になった事があるかもですが、琳派のたらし込みや光琳菊と言われるまんじゅうのように簡略化した菊などを踏襲しつつ、ほのぼのとしたあたたかみのある、ゆる〜い感じなので、ゆる琳派と呼ばれるらしい中村芳中。
今回の旅は始まりが三十六歌仙絵でしたが、ラストフィナーレはゆる琳派です。
会場は京都市営地下鉄東山から徒歩十分程度の細見美術館。二度目です。
ちょっと時間を巻き戻すと、あくまでもケチって近鉄奈良発の急行京都駅行きに乗る気だったのに、駅に早く着き過ぎて、ホームにいる特急を見たら、乗りたくなってしまい追加料金払った奴です。f^_^;
ダイカットポストカード 中村芳中/仔犬(クロ犬)
このあと途中からも乗客が増え、最終的にはこの車両は八割くらいは座席が埋まってました。
で、結局正解だったかも。ここのところ苦戦する京都駅ロッカー捕獲!
でも地味にショックだったのは、最小サイズが、何と300円から400円に値上げしてました。かなりの値上げですよね。三割以上だ! 強気の京都駅です。
そのあとまたしても1日乗車券で、市営地下鉄と嵐電セット千円なりを確保。自販機が分かりづらいので駅員さんに聞きましたわ。
そして速攻で細見美術館に移動したのです。
細見美術館、落ち着いた土壁のお茶室のような展示室で、激混みにもならず、ゆっくりゆったり鑑賞出来ました。
ワンコは見本帳の木版画でしたが、芳中のおおらかな筆づかいは版画にしても自筆みたいに見えました。
ダイカットポストカード 中村芳中/仔犬(クロ犬)
まんじゅうみたいな菊(これは細見美術館の説明文にあった表現で、なるほ!)も可愛いけれど、桔梗や立葵などの単純化した形は、とても今風でした。
ホント、琳派のデザイン力は素晴らしい!
そして、芳中は琳派系とは別に座興に筆以外で描く芸も達者だったようです。卵を割ってそのカラで描いたらしいニワトリや、杯のヘリで描いたのではというカメの中のお酒を求める亀、というダジャレみたいな作品もユニークで力がありました。
江戸時代、人物画で鳥羽絵というのが流行ったそうですね。あの思い切りユルい鳥獣人物戯画の人物編風の画風の事でしょう。
ひょうきんな、思わず笑みこぼれるような人物が描かれていて、多分芳中自身の人柄もおおらかでユーモアを解する人だったんだろうなぁと思いました。
じっくり楽しんで、絵葉書一枚だけ買って、早くお昼にしちゃお!と入ったのが、細見美術館すぐ近くのみやこメッセにあるカフェレストラン。
観光スポットのなあんちゃって京都めしの割高感はやだよー!なので、官製施設のレストラン狙いしました。
よく見れば量はそんなに多くない(私にはちょうど良い)けれど、これに食後のコーヒーか紅茶が付いて千円ジャストは京都市内としては結構嬉しい値段です。
窓から真っ赤な楓を見ながらもぐもぐ。
紅茶をいただきながら、買いたてのワンコ絵葉書にお便り書き、昨日奈良の郵便局で買ったシール切手を貼り完成!
これでおしまいにしても良かったのですが、フリーきっぷを買った時点で元取らねばエンジンがかかりまして、午後に続く。