引き続き新型コロナウィルスの話が蔓延しています。語弊がある表現でごめんなさい。

  デマから始まったトイレットペーパーやティッシュ、生理用品と言った生活必需品の狼狽買いから、みっともない買い占めの話題もあれば、なぜか納豆を買おうとすると、おひとり様1パックに制限されたり、棚から商品自体が消えていたりと、どんよりした日々です。

  時間があるとついネットを見てしまいますが(テレビよりは選択権がこちらにあるだけマシだろうと思う一方で、どうしても自分の趣向に偏った情報ばかりを取り入れることになるのは否めません)、どうもシニアの問題行動があげつらわれることが多いようです。

 いわくトレペ買い占め行動。ウィルス検査で陽性だったのに、外出しまくり、中にはうつしてやる!という男性まで。(;^ω^)
 
 外出しまくりについては、自分にも心当たりがあるので、責められません。動かないでいると、本当、メンタルもやられそうなんですよ。

 新型コロナウィルス感染についてグレーな状態ではない高齢者の穏健な外出(お散歩、通常の買い物、混雑していない場所での外食などなど)には目くじらを立てないでいただきたいものです。

 ですが、残り少なくなった生活必需品の奪い合いで、まことに浅ましい行動を取るシニアもおられるそうで、残念至極。

 トレペ備蓄しまくって、ご本人存命中に使い切れるのか?というような方もおられる模様。認知症なんではないかという擁護も見かけました(そういえば、私の父もヘルパーさん派遣を頼まなくてはいけないくらいになったら、そんなに食べない人なのに、ロッテのチョコレートをめちゃくちゃ買い込んで、都度、持ち帰りなさいとドンと持たされましたが、しまいには賞味期限切れになってしまいまして・・・近所のチョコ好きな友だちが、消費期限と賞味期限は違うと言って引き取ってくれましたっけ(;´Д`A)。

 あと1個という棚に残っていたトレペを取ろうとしたら、横から来たオヤジに横取りされたとか。まったく浅ましい。これは被害者の女性の弁を見る限りは、そのオヤジの性格の悪さに由来するようです。

  何だか殺伐とした話題ばかりが並んでいて、げっそりします。

  ならば見るのやめましょうね。

  しかし、市立図書館、地区センターの図書コーナーから、市民図書まで、本を貸し出してくれる場所はいずこも月末まで閉館状態。 借りた本は読みましたが、返すことも出来ず下駄箱の上にいます(市立図書館なら返却ポストと返却カウンターはありますが、あいにくと借りていなかった)。

  市民図書の借り手が少なくなって処分するからもってけ本の箱から取って来ていたのですが、あまりに重たそうな話なので、ずっと開くことのなかったこの本にやっと着手しました。

出星前夜 (小学館文庫)
飯嶋 和一
小学館
2013-02-06



 先週、土曜日のブラタモリで原城を歩いていたのも肩を押してくれました。
 
 前半は島原の乱が起こるまでの苛烈を極めて、強欲な藩の体制を庶民の側から描いています。あまりの貧しさに疫病が流行って幼小児がバタバタ死んでいるのに、打つ手がほとんどないのです。しかも、困窮の底にいる農民に対して、温情はなく、支配階級方は体面やら既得権益を優先、さらに突き落とすような事をします。

 困窮のため、村々は寂れ、士気も上がらない中、疫病で罪なき子どもたちの命が奪われていく中、とどめのような支配者側の仕打ちにより、もともとはキリシタンだった人たちを中心に正当な反抗をしている筈が、人心が荒れに荒れて行き・・・という部分を読んでいるところです。

 疫病(作中では傷寒と書かれています、今のチフスに当たる病だそうです)のために人心が荒れはじめているという時代と、新型コロナウィルスでぎすぎすしている今とが重なる部分があります。

 さすがに島原の乱のようなめちゃくちゃな年貢ではないものの、今の日本は率だけで言うと、お代官様おゆるしくだせぇに近付き、国民負担率が過去最高44%になっているとか。

 特に壮年若年層、とりわけ独身者の負担感は相当なものです(というのは、長男と話をしていて思いました)。

 新型コロナウィルスによる自粛要請で、業態・業種によっては大変な打撃を受けています。まさか大丈夫だとは思いたいですが、松浦藩のような愚かな策を施すと、当時の島原のような荒廃が、地域限定ではなくて、全国的に起こりかねないのではないかと懸念します。

 身を挺して民のために、という気持ち、権力を持つ方ほど、持っていただきたいです。

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