タイトルが暗いので、明るい色のヤマアジサイを貼ります。
今日は本降りの中、家人が車で送ってくれ助かりましたが、約3ヶ月ぶりの口腔外科へ。
地域の中核病院、今日も人が多いです。
今回、院内の人手不足を感じる光景をいくつか見ました。
まず受付を済ませ、多くの方が並ぶエレベーター前を通り過ぎ、口腔外科の前に出られる階段までところどころ曲がり角のある廊下を通った時、妻と思しき女性が横たわっている移動型の寝台を押している後期高齢者くらいかな、という男性がいたこと。
その方自体の動きも今ひとつで途中、一般利用可能なカフェテリア近くに立てられているのぼりスタンドの脚にベッドをぶつけ、ガチャンと派手な音がしました。
時節柄、うっかり手伝えないのはもちろん、非力な私が下手に手を出すのはかえって危ないと気にはなりつつ何も出来ずでしたが、以前なら、誰かしら院内の人が手伝っていそうな状況でした。
口腔外科のフロアでは、後から来たご夫婦らしいカップルの女性が男性を支えていましたが、男性は杖をついてもほとんど前に進めず、ともすれば後ろに反ってひっくり返りそうな様子。
ベンチに座りたがるしぐさをする男性のために、密度が上がるけれど、席を詰め合いました。
男性が歩くのは無理と感じた女性が質問したようで、事務か助手か、どなたかが、車椅子の置き場の説明をしていましたが、付添の女性もそんなに健脚そうではなく、だいぶ時間を掛けて取って来ました。
これなども以前なら、病院ボランティアの方が、受付時点で案内していそうです。
そして3つ目は、診察室から出て来た病院の方が、ここに○○病棟の助手の方はいませんか?と声を上げ尋ねていたこと。
助手が付き添ってしかるべき状況なのに、いないのだな、とわかりました。
会計を済ませ、公共交通利用や徒歩で帰宅する人向けの国道沿いの入口に向かうと、感染症予防のために閉鎖の張り紙があり、そこからは出られず、車寄せのある来た時と同じ口から出る事になりました。
高齢者自体が増え続けているから対応しきれないのもあるとは思いますが、新型コロナウイルスによる感染症予防のため、シニアが多い病院ボランティアも減っているようです。
加えて、中核病院ですから、もしかしたら、新型コロナウイルスによる感染症の患者さんが入院されている可能性もあります。
一般医療にかけられるマンパワーが充分ではない中、私たち世代が後期高齢になる頃はどうなっているのか?
今日は歩くのもままならぬ、でも医療関係者の付添が無いので、そこまで重篤ではないと思われる高齢の方と遭遇して、考えさせられました。
後ろにのけぞりそうになり、脚が動かなかった男性、これがサルコペニアand/orフレイルと言われる状態が進んで来ているところなのか、と思います。
誰でもいつかは必ず死を迎えなくてはいけないですが、なるべく長く自力歩行出来るように、歩くことを始め、体のメンテナンスをしなくてはいけないと改めて思います。
座りっぱなしはいかん!
そして、私自身の診療は本日で卒業とのこと。その心は現状維持がせいぜいだからです。
よく言われる、治せない、治らないのは加齢のため、というやつですね。トホホ
今や我が生活からは影も形も無くなったリアルイケメンとの遭遇。口腔外科の五郎丸先生とお別れで、ちょっと寂しい気持ちになりました。
なので、帰り道、買い物ついでに迎えに来てくれる家人と待ち合わせのスーパーに行く前に、咲き残りのヤマアジサイを見て、ちょっぴり心を潤した次第。