皆さんもぜひご加入あそばせ「本が好き!」(ただし、ブログなりサイトを持って、書評を書かねばなのですが)からの献本。結果として、またしても京都本を読んだことに相成りました。
 タイトルがいささか気恥ずかしい「華道界のプリンスが直伝する美的生活」。このタイトルでドン引けしたのですが、手に取ってみると、意外といい本ですよ。

 京大で建築学を学びながら、家元である祖父の養子となり(すごいよな、長男なのに養子になっちゃうなんて)大学院を中退という経歴からして「タダモノじゃない!」(はい、京大なんてだ〜れも手が届かない我が家デス^_^;)

 ただのキワモノかと思いましたが、非常にクレバーでございます。えらそ〜にならないように説いているし、華道は実は論理的なんだなんて話も面白い。

 ただ、感想に書いたがごとく、滅私奉公の母が美し〜ってのはいただけないな。家族、特に女性に自己犠牲を強いるのが美しいニッポンだってのは、時代錯誤で困るんです。著者は決してそんなつもりじゃないでしょうけど、40度の熱をおして家族のためにご飯を作る母を讃えたら、37度台の熱でもゴロゴロして「その辺のものテキト〜に食べておいて」とへたってしまう私のような輩はひじょ〜に困るのです。

(大体、男どもは、ちいと熱が出た、引っかき傷が出来ただけで大騒ぎじゃん。昨日も普通の人ならウゲゲゲゲと言うレベルで押してると言う指圧の先生に「こんなの気持ちいいよ。お産の痛みを思ったら、他の痛さなんて軽チンだ」と言ったら「男なら死にますね」と言われたよ・・・あまいんじゃっ!)

 というようなお下品な本音は読書ブログには書き(け)ませんでした。どうも献本っていうと、ちょっと力が入っちゃいまして(^^ゞ。

 そういう「野口英世のシカ母さんにはなれないっ!」という部分はありましたものの、著者が子どもの頃から、今に至るまでの風物も随所に散りばめられていて、「いいよね〜、京都生まれ、京都育ち」とつらつら思っちゃいました。もっとも、京都はかなり階級社会ではないか(と思うのは、京都在の友人が、旧庄屋格の地元の名家の家の前まで掃除せにゃあかんと言っていたからですが)と思うので、それなりの家格の家に生まれないと、全然優雅、風雅、すってき〜!な思いは出来ないのかも。

 母や祖母が京都、京都、奈良、奈良というのも、一時漂着のエトランゼだったからいい思いが出来たのかもね〜と思わないでもないです(何せ、母は裏千家の家元に通っていたそうだからね。どうやって入り込んだんだろう)。

 今、生まれた国によっては、食料不足、独裁者の専横による人権蹂躙等々、現在の日本では考えられないような悲惨な状況に遭っている人々がいるので、それを思ったら、京都に暮らしたいとか、生まれたかったなどと言うのは横着、贅沢、高望みってことになるかとは思いますが・・・

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