友達を誘って女性監督映画2本立てを見に行く。嬉しいことにこの時期、女性の鑑賞券は1000円なのだ。
 映画館の名前はシネマ・ジャック&ベティ

 大手配給ルートに乗らないような佳品を上映する映画館や、少し昔の作品をお得プライスで上映してくれる映画館が次々廃館になり、シネコンばかりが増え、従って宣伝費をたっぷりかけた作品以外はなかなか見づらい昨今、ジャック&ベティは嬉しい存在。

 誘った友達は「こんないい場所知らなかった」と言うけれど、元々戦後の闇市的雰囲気を濃厚に残し、アウトローに相応しい雰囲気をたたえているというので「濱マイク」のロケ地にもなった・・・という事は、普通のオバサンやOLさん、学生さんなんかにはちょっとねぇという立地だ・・・というイメージが強かったようだ。

 今は怪しげな店をたたむように行政と住民が指導した結果、アウトロー的な雰囲気ってどこ?って感じになっています。都市部の中心地からちょっと外れたところに共通の小さなビルや店舗が並んでいるじみ〜に見える街の一角にこじんまりした映画館として頑張ってるのであります。

 向かいは「濱マイク」のロケ地でもあり、上映館でもあった「日劇」。この前、この映画館に来た3月には建っていた建物も、新聞記事で読んだ通りのスケジュールで取り壊しされたようで、もう空き地になってました。

 若い人たちが頑張ってやってる映画館。程よい手作り感が何ともいえないです(ってっても、ダサくはないし)。入る前にジモピー御用達らしいパン屋さんで中休みに食べるパンを調達。

 映画は「マリー・アントワネット」「さくらん」の2本。実のところ、行くって決めたものの、2本立て続けに見られるかなぁ〜と心配になっていたけれど、大丈夫。しっかり見られました。だって、それぞれに良かったもん。

 女性監督という共通のくくり以外に、舞台はベルサイユ宮殿と吉原と全く違い、ヒロインも片や非常に高貴、片や親に売られた反骨&べらんめぇの女郎と全く違うのに、二人ともいわば囚われの身で、それぞれの居場所から動けない、広い世間を見られないというところが共通で、なかなかしゃれた組み合わせだなと思いましたよ。

 嬉しかったのは、パンを食べながら休憩スペース(小テーブルなんかも用意されている)でお喋りしていたら若い係りのお兄さんが「始まりますよ」と言いに来てくれた事。チケットだってブースじゃないし、映画が本当に好きな人たちが頑張ってるんだな〜って感じ。

 アントワネットを演じた女優さん(最近はすぐに名前が出ないの。トホホ)もえくぼが可愛かったし、土屋アンナ演じた花魁もふてぶてしいくせに純情で魅力があった。

 鑑賞後には、意外にも近い伊勢佐木町まで歩いて「どこでお茶する?」と言いながら、結局、不二家発祥の地とかいうから、ここにしようか!でじっつに久しぶりに不二家を利用したのでありました。なかなか上品な「家族でとっておきのお食事」という昭和の高度経済成長期のわくわく感が漂っているお店でしたよ。

(本日唯一難を言えば、後ろの座席のオヤジ(50代くらい?)がポリ袋をがしゃがしゃ言わせ続けて、続いてポリポリ食べて、しばらくして静かになったなと思ったらいびきをかいて寝てたこと。んなら来るな!と言いたい。映画館でず〜っとポリ袋をがしゃがしゃ言わせるのはマナー違反だよ!)

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