電車に乗っていても広告を目にし(NHKとタイアップで、地元私鉄が松山行くのなら羽田までわが電車で、海軍関係ならわが電車で横須賀へとやっておりました)、昨日なんて地元紙なのにNHK出版を含む出版社とタイアップ広告が載っていた「坂の上の雲」。原作はまだ読んだこと無いのです。



 あまりの前宣伝の仰々しさに見るのやめたろかと一瞬思わないことも無かったのですが・・・でも、やっぱり見てみよ〜というミーハー心で見ました。

 実は司馬遼太郎さんと「坂の上の雲」、下関では評判がよろしくないと聞きましたので余計興味が湧いたというのはあります。理由は地元出身の乃木大将を愚将扱いしているからだそうで、母の従妹のいる長府では地元在住の直木賞作家が、何とか挽回しようと策を練っておられるという話も聞きました。



 それはともかく・・・一瞬で「う〜む、今年の大河ドラマの予算がこっちに取られたか」と想像たくましくなってしまうほどの重厚な作り。セットやロケなど、すごく力を注いでいるのが分かります(爽やか妻夫木君主演の「天地人」。善良な友人たちは「良かった〜」と言っていますが、演出が悪い、セットがちゃっちぃと一部でかなり不評だったようです)。

 で、私にとって新鮮な発見だったのは、主役の熱演より何よりも、舞台となった松山の言葉でした。

 私の祖父、平成の大町村合併で今治市となってしまった越智郡の出身です。祖父は小学生の時に亡くなっていて、色々な昔語りを教えてもらう機会ももてないでいましたが、祖母の話や、親戚の言葉などに出てくる「○○したぞな」というような言葉や独特のイントネーション。日ごろ忘れていますが、懐かしいものでした。
 当時、四国の県庁所在地であった松山から東京へ行くというのは、今海外留学に行くのと同じか、それ以上に大変な事だったのだろうと思います。

 ご維新後からだいぶん経っての事とはいえ、明治30年生まれの祖父が、松山よりもっと田舎である越智郡の村から東京の学校へ行った、というのも相当だったんだろうなぁと・・・。

 祖父の出身の村が出した村史に「神童と呼ばれた○○君」と祖父の名前が載っているのを見た事がありますが(神童と呼ばれて、上京したら、普通だったというのは、最近見た映画「風が強く吹いている」でもありました)、明治時代ならばさもありなんでしょう。

 死人に口無しなので、祖父については祖母による、圧倒的に自分に有利な話が多いのですが、それでも、祖母曰く「占い師がこの人は総理大臣になる器だと言った。が、あんたが貧乏神だと言われた」んだそうです(笑)。 総理大臣云々はともかくとして(贔屓目に見ても、とてもとても・・・・)、田舎から学問をしに上京というのは、「坂の上の雲」の主人公たちが故郷を後にする時に「きっと○○になります」と言う程の意気込みだったのだと、祖父の人生と重ね合わせて感慨深いものがありました。

 今はネットで各地の様子が分かるし、交通網も発達し、自動車もあるし・・・昔のように多分、私はそういう感慨を持てる最後の世代なんだろうなぁ〜。

 多分、「おくりびと」受賞等もあり、多忙なのでしょう。やや疲れた表情のあるもっくん、旧制中学生を演じるのにちょっと無理がありましたが、香川さんが意外とハマっていました(笑)。菅野美穂さんが勝気な娘を好演。実年齢より年下を演じる時の所作、勉強になりました。

 阿部ちゃんを「謙信さま〜」と言いたくなったのは大河ドラマの余韻でしょう。
 
 合間合間に実写フィルムや地図などを混ぜて、なかなか面白い。ただ、中国や韓国を先輩、先生として尊敬していた日本が、日清日露戦争に勝った事で、露骨な差別主義に陥っていく、そんな時代を描く訳ですから、変な風に偏向はしていないよな〜、皆様のNHKが大宣伝してるんだから、影響力大だぜ〜、と、ちょっと心配にはなりました。

 ともあれ、次回も楽しみです。

 それにしても・・・何故か、こんな時にDVDデッキが壊れてしまっている我が家なのです。(;_;)


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