台北で朝を迎えました。今日もお天気は良くありません。冬の台北というのは結構雨が多いそうです。

 泊まったホテルはコスモスホテル。ツアーの中では1番安値のホテルですが、駅のすぐそばだし、おのぼりさん的な賑やかな方がいて夜更けに若干うるさい事を除けば、そして、若干のニオイと(私からすると、悪臭とは言えないものの、違和感があるにおいではあります)トイレのペーパーの慣習の違いを除けば、なかなか快適なホテルです。事前に検索をかけたところ、上位で若干高いめのホテルより評判良いようでしたので、キャンセル待ちした甲斐がありました。

 ホテルの朝食はバイキング。長男いわく「味がない」そうですが、ラーメン、おかゆに、パン。日本人が多いので、味噌汁なんぞもあります。偶然相席になったのは昨晩一緒のテーブルで小籠包を楽しんだOLさん2人組でした。

 マイクロバスで観光開始。流暢な日本語をしゃべる可愛いガイドさんが同乗。先ずは日本だと靖国神社的な位置づけになる忠烈祠。ただし、ごく最近の災害救助のために殉職された方も祀るなど、靖国神社とはかなり趣が違うようです。
 
 ここの名物は衛兵交替。門の部分の左右のお立ち台にまるでよく出来た人形のように立っている若い軍人さん。エリートだそうです。

 そして1時間に1回の衛兵交替が始まると、陸海空の制服を着た軍人さんたちが靴音も高く廟に向かうのを観光客が追うという次第。バトントワリングのように銃剣をたくみに扱います。武器である銃剣の重さは相当な筈。

 2009年12月18日忠烈祠

 こう言った場所を妙に神格化せず、観光資源として生かす台湾人の柔軟さには感心します。

 その後、お待ちかね。故宮博物院へ。ガイドさんは「蒋介石が盗んだという人もいますが、大事な宝物を守ったのです」とここは愛国心を発揮していました。

2009年12月18日故宮博物院

 最近リニューアルしたそうで、内部は実に現代的な建物ですが、日本人は勿論、中国語を話す方々も多々来館で、かなり混んでいます。広いので、めちゃ混みという事はありませんが、でも、人気の展示物の前は絶えず人だかりが出来ています。勿論、展示物のある場所は撮影禁止。

2009年12月18日故宮博物院内部


 人気はあまりにリアルな白菜やトンポーローの彫刻。それに一刀彫でどうやったらこんなものが作れるの?と言う程精巧に、時間をかけて作った皇帝を楽しませるための作品の数々。

 これは私流の見方ですが、あまりにも細部にこだわったこの姿勢が、世界の動きより宮廷内の権力関係などの大局から見れば些事にばかり気を掛けて・・・結果として列強や日本などに思うように踏みにじられてしまったことに通じるのではないかと思いました。

 お金でははかれないほどの価値がある名作を前に甚だ恐縮ではありますが、私はやっぱり琳派など、すっきりシンプルなデザインの方が好きだなぁ〜と改めて確認出来ました。

 その後、台北市内に戻り、お約束のお土産店へ。しかし、お仲間になった皆さんはお買い物大好きな人はあまりいないようで「この時間の分、故宮博物院での見学時間を増やしてくれれば」と思ったのは長男や私だけではなかったようです。^_^;

 お昼を食べた後は、多くの参拝者が詣で、すごい活気あふれる龍山寺という寺院へ。仏教と道教がいっしょになっているそうですが、色がカラフル。お供えもカラフル。お線香が太くて長い。それに赤く塗られた丸い木片を二つに割ったような「神様との対話道具」を地面に投げている人が何人もいました。3度までしかお伺いを立てられないそうです。

2009年12月18日龍山寺

 お供えのお花の中には明らかにクリスマスカラーのものがあり、融通無碍な台湾庶民のパワーがここでも溢れていました。

 蒋介石の偉業を讃える中正紀念堂。ここは政治が変わると名前が変わるそうで、民進党時代には別の名前になっていたそうですが、その際の看板のかけかえなどにも風水を使って決めていたとかで、風水は台湾を語る時のキーワードになるようです。

2009年12月18日中正記念堂


 中国系の皆さんは巨大な建物がお好きなようです。この白亜の殿堂の中では恐竜展も開催されていましたが、周囲にはコンサート会場なども建っていました。

 そして、最後に行ったのが、映画「非情城市」の舞台となり(と言ってもまだ見て無いんですけれど)、「千と千尋の神かくし」のモデルとなったといわれる九份という観光地へ。

 ここ、私の経験で言うと、熱海と佐世保と下北沢の駅界わいの雑踏をごっちゃに混ぜたような場所です。

 海を見下ろす坂の町で、佐世保の九十九島に行った事を思い出しました。

2009年12月18日九份の風景


 商店街は狭くてくねくねで斜面。そこを小さいながらトラックや懐かしいバタバタ三輪車みたいなのが走ったりする一方、猫や犬がのんびりしています。健全な夜店という感じで、ボランティアさんでしょうか、文字の書かれたベストを羽織ってゴミ拾いをしている方もいました。

2009年12月18日九份商店街


 食事をしたのはこちら。阿妹茶館という有名店だそうです。イルミネーションを飾り付けていてなかなかきれい。あいにくのお天気でお食事をいただいた二階の窓からの景色がいま一つだったのが残念ではありました。同室はすべて日本人観光客でしたね〜(笑)。

2009年12月18日九份阿妹茶館夕暮れ時

 この店がある界わい、千と千尋の神かくしでは、トンネルをくぐった後にある場所に似ていますね(お父さん、お母さんがむさぼり食って豚になっちゃったところ)。

2009年12月18日九份夜景

 雨降りだったこともあり、九份はかなり寒い場所でした。みんなで「冬服で来て良かったね〜」「こんなに寒いとは思わなかった」と話しました。

 昼間連れて行かれたお土産展は高級なお値段でしたが、ここのみやげ物は日本の感覚で言うとかなり安いものばかり。横浜の赤れんが倉庫に売っていたマグネット付きネックレスによく似た(パクリ?)ものが驚く程安い価格だったのと、おなじみの口紅ケースを「ばらまき土産」(こういう言葉があるのをガイドブックで初めて知った浦島太郎です(^^ゞ)に買いました。

 ま、マグネットネックレスは赤れんが倉庫のそれがスワロフスキーを使ったしっかりした製品なのと比べ、プラスティックのちゃっちいビーズ製なんですが、それが軽くて良いと言う・・・(笑)。

 盛りだくさんな1日でしたね〜。これ、個人で回ったら結構大変だったと思うので、パックツアーのよさを感じましたよ。(除みやげ物店立ち寄り(笑))

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