今日は実家の野暮用で、久しぶりに電車に乗って実家界わいへ参りました。高校を卒業して引っ越して初めて住んだ頃、まだまだ空き地があって、のんびりした風情でした。都内への距離は近いというものの、多分、当時の空き地率、今住んでいる場所とおっつこっつだったのではないかしら?

そんな中、住んでいた頃から、基本的に変わっていないのは春先の見事な桜並木。久しぶりのお花見は雨のおかげで静かに楽しめました。

2010年4月5日桜並木
が、この並木を、かつて両親が揃って元気だった頃に一緒に歩いたよね〜、それから、小さかった子どもたちも一緒に連れて歩いたよね〜などと思い出すと、ちょっと切ない気持になりました。




2010年4月5日美しが丘公園


この公園の桜も緑の中に静かに花開いていて、とってもしっとりした風情ですが、天気の良い日は子供たちや散歩の人で賑わう場所です。


2010年4月5日たまプラーザ駅1
帰りしなに最寄り駅に寄りました。ここが一番どひゃ〜な変わり方。数年越しで工事していましたが、ほぼ完成に近付き、ここはみなとみらいか?京都駅か?ってな風情です。













2010年4月5日たまぷらーざ駅2



なんと、スターバックスなども駅中だか、駅外に宙吊りの如くになっています。前はごく普通の郊外の住宅地らしい、天井の低い駅でしたが、まるで別物。



この手前、駅と一続きにショッピングモールが出来ていて、それはそれはおしゃれな雰囲気。書店なども、今まで道路を隔てた向こう側のデパートにあったものからグレードアップし、二階建てとなり、明るい階段で上下するのです。

お店の雰囲気はカジュアルだけど、シック。ここに住んでいたら、毎日お買い物をどうしようかと迷う事でしょうね。勿論、ショッピング街として、めざしてやってくる方も多いとは思うのですが、みなとみらいや、郊外型ショッピングモールの多くが出来ている場所と違い、元々は閑静な住宅地だった場所。いわゆる幹線道路からはかなり外れた場所です。

そこを大規模な商業地として開発しているのは、横浜市青葉区というのが、全国でも有数の高額所得者居住地だから。(なんと、住民の平均年収は1100万円くらいと昨秋新聞で読んでビックリ!)

ぶっちゃけ言っちゃいますと、ここに住むという事はかなり欲望を煽られるだろうなぁと思います。かつて住んでいた頃には、ちょっと素敵な店があってうれしいね〜、という程度で、基本はごく普通の生活をする町でした。


この街で、煽られた欲望を満たせない、つまり、嫌な言い方になっちゃいますけれど、この町で自分を負け組と自認した場合、かなり気分が荒れるのではないでしょうか?

実は実家への往路で、こんなものを見てしまったので、とても不安になっていたのです。

2010年4月5日不動産屋の哀しい看板JPEG2

ここは地元の不動産屋さんの前。
以前から、八ヶ岳の兄宅で飼っていたのと似た「犬柄」の良さそうな柴犬がいました。とてもおっとりした可愛い子で、お店の人にも街の人にも愛されているように思えました。


が、ちょっと見ない間にこんな看板をお店の人が作るに至るいたたまれないようないじめがあったのに違いありません。

抗議できない動物や子どもや病人、障がいのある人を苛めるなんて、最低ですが、それだけ荒れた心情の持ち主が出没しているという事なんだろうと思います。



一見して、ますます豊そうに見える街ですが、こんなところに歪が見えています。

横浜市の中では豊かと言われる地域の公立学校の荒れは相当酷いと何箇所から聞いています。それは、勝ち負けがはっきりするような生活をせざるを得なくなっている土地柄になっているからなんだろうなぁと想像します。その一端が消費行動にも現れるのでしょうね。


横浜市の中では辺境で、所得が低いのが、街並みや道行く人の姿、また店の興亡を見ても明らかな我が家の界わいです。だっせ〜! 買いたいものないね、などなどと悪口三昧言いながら(だからこそ、無駄遣いしないで済むというメリット大です)、無用な劣等感にさらされることもないし、自他共にがさつ!と思う事も結構あるものの、それに負けないほどのあたたかみも感じるエリアです。

帰り道、ださださでそれ以上変わりようもないように見える最寄り駅に着いて、実家の界わいとの差がどんどん大きくなっていると思う一方で、ホッとする自分がいました。


正直心配です。後背地として広大な新興住宅街を抱えた実家の界わいの、豪華一点主義的な発展具合を見ていると・・・地に足がついていないと言う気がします。


・・・・という訳で、見る人が見れば分かる場所ではありますが、敢えて名を伏せてお送りしました!