上天気なのにお山に行かなかったと、ちょっとしょんぼりしていますが、連休なんて考えずに旅程を組んじゃった自分がアホでした、の自業自得です。でも、渋滞情報を見聞きすると「行かなくて正解?」とイソップの酸っぱい葡萄と負け惜しみを言ったキツネみたいなことも考えます。

さ〜て、今日も家でのんびり過ごしました。

旅行で中断していた読書を再開!

先ずは図書館から来たての「戻る男」を読みました。新聞の書評にもありましたが、なかなか後味の良い話です。これはネタバレになるから詳細は書きませんが、タイムスリップを巡る話です。



そして、今、話題の映画「悪人」の原作。妻夫木君が演じたのは清水祐一君という青年。テレビでも相当紹介されてるから書いちゃいますけど、出会い系で出会った女性をふとした弾みで殺してしまった殺人犯。



この殺される女性を「川の底からこんにちは」でへたれ主人公を演じた満島ひかりさんが演じてる訳ですね。で、お父さんが榎本明さん。

主人公と逃避行をするのが、映画祭の女優賞を受賞した深津絵里さんで、美男子岡田君が演じる役が、どうも、この作品を読む限り、一番いや〜な役ですね。芸達者の樹木希林さんが演じるのが祐一のおばあさんかぁ・・・・。
公式サイトの人物相関図を見ると、ちょっと原作と違うところもありそうです。

読み終えての感想は、あまり使いたくない言葉なんですが「勝ち組と負け組」でしたね〜。祐一やその家族、逃避行を共にする光代、それに、殺された佳乃やその家族も、世間的に見たら、決してパッとしない負け組と言われそうな人々。一方、人を見下し、気楽に生き、心の痛みが分からないボンボンの増尾は世間的に見たら勝ち組の部類でしょう。

で、負け組は本当の事を言っても信じて貰えなかったりするし、騙されたりもする。勝ち組は表面的に整っていながら、実は心底は非常に功利的で冷たかったりする・・・・

被害者佳乃の父親の哀しみと言うのがやるせないですね。

一つ突っ込みどころがあるといえば・・・寡黙な筈の祐一の最後の言葉が、実に淀みなく、雄弁とすら言えるところ。これも愛故でしょうか?

死刑になりかねない自白を敢えてしてしまった祐一ですが、光代ならきっと待ってくれるのでは?と思ってしまいましたわ。

他の本もせっせと読まねばで、今度は江戸時代のベンチャービジネスのお話を描いた「天地明察」を読み始めています。夏の疲れでだらけつつ、せっせせっせと読書の秋!?