以心伝心、水曜レディスデーに付き、近所の友人が映画に誘ってくれたのですが、実は私も彼女を誘おうと思っていたところでした。

ところが、なんとしたことか、彼女が見たい映画は先週見ちゃった「食べて、祈って、恋をして」だったのです。さすがに二度見る気にはならず。ですが、見たかった「悪人」もちょうど同じような時間帯、それに京都市営地下鉄内でやたらと宣伝やスタンプラリー等の掲示物を見かけた「大奥」も同じような時間帯。

お誘いメールがあった昨晩から悩みましたよ〜。神戸で悲惨極まりない事件が起こったばかりなので、殺人をテーマとする作品を見ることに、躊躇する気持ちもあったのですが、原作を読んでいるので、どういう風に映画化されているのかを見たいという興味が勝ちました。

で、友人がもう一人の友人を誘って、さては3人バラバラ?と思いましたが、二人は「食べて、祈って、恋をして」を見るという事で、開始と終わりが10分ずつずれてるので、待ってもらうことにしました。
感想を端的に言ってしまうと、見て良かった!です。

あれだけのページ数の作品を2時間半程度に縮めるのはなかなか難しかったと思いますが、なかなかお上手。

原作では容疑者に関係ある人々の供述という形で事件の端々がわかって行きますけれど、その視点は無し。だから、主人公祐一に関わったキャバクラ嬢や殺された佳乃に関わった出会い系サイトで会った男性のエピソード等はカットです。

全体の代弁をしているのが榎本明さん演ずる被害者のお父さんの弁でしょうか。ここは原作より雄弁になっており、逆に巻末にあった祐一の供述はカット。

正直なところ、全編を寡黙&寡黙で押し通した祐一のラストの能弁と言えるほどの供述に、あれれ〜と突っ込みたいところがあったので、映画の方が違和感が無い終り方でした。

なかなかうまくまとめたぞと思ったら、原作者が監督と脚本を共同執筆していたみたいですね。本人が執筆しないまでも、チェックが効くというのがバリバリの現役作家の作品を原作とするよさでしょうか(それは、伊坂幸太郎原作のゴールデン・スランバーを見た時にも思いましたが)。

なる程、これは深津さんがモントリオール世界映画祭で受賞した訳だ、と思わされる演技でした。一方、黒髪を金髪に染めてまで主演を熱望したという妻夫木君、熱演は熱演なのでしたが、台詞が少ない、それから、たまに喋ると、どうしても神奈川弁訛りの長崎弁に聞えるので(笑)、深津さんに食われちょるぞという感じがしました。

根は悪くないのだけれど、ちょっとルーズで鈍感な女の子を満島ひかりさんが演じ、美男子岡田君がじっつにいや〜な男を演じました。

原作では岡田君が演じた増尾君の友人として出てくる鶴田君。永山 絢斗君が演じていましたが、原作を読んでいないと、彼が増尾君に対して感じてしまった気持ちが通じないかもねと思いました。登場シーンは多くないけれど、タイトルの「悪人」の意味を問う部分では彼の存在は大きいので、彼に関しては、もう少し濃い描き方をしないと分からない人には分からないかなぁ〜と。

助演の人たちが豪華でしたけれど、ありゃ〜、松尾スズキさん、悪徳商法の「先生」でご出演でしたか。


・・・・・・・で、結局、「悪人」をいい人キャラの妻夫木君が演じたのはやっぱり正解だったかと。

・・・で、妻夫木君、やっぱり黒髪がいいね。ファンの人には大バッシング受けそうだけど、金髪にした妻夫木君、クローズアップにすると全然イケメンに見えないの。映画の中では、その似合わなさ具合が祐一というキャラクターと合致するからいいけれど、物語世界を出たふだんは黒髪ってのは、自分の事分かっているんだなぁ〜と思うよ(笑)。


その後はランチ、お茶と続いたのです。

新しいTOHOシネマズでしたが・・・トイレが少なすぎ!!!!!と言う大欠陥を発見。オープン仕立てだからもあるのでしょうけれど、レディスデーなので混んでいましたが、どのトイレも長蛇の列。これは客足が減らないとしたならば、早めに改善しないとブーイングが出て来るのではないかと思います。


今日は2人の日本人化学者がノーベル化学賞受賞というめでたい臨時ニュースが入りました。臨時ニュースは地震や大事故のようなありがたくないニュースも、今回のように嬉しいニュースも同じ警告音が鳴ります。

先般、新潟で地震があったばかりなので、一瞬、大丈夫か?とドキッとしてしまいました。いい臨時ニュースの時は音を変えて欲しいと思いませんか?