水曜日、このところ午後から荒れます!という気象情報が続きましたが、久しぶりに午後も崩れませんの声に押され、レディースデーのジャック&ベティに行くことにしました。

せっかくだから、まず接骨院。もし、ここで予想以上に時間が掛かったらアウトですが、早めに出て、先生もめちゃ遅くはなかったので、100均、図書館に寄りギリギリセーフになりました。

きっぷ売り場の横で売っているご近所のカメヤベーカリー製のサンドイッチで開演前に超簡単ランチ。


ル・アーブルの靴みがきという映画、超地味なので、もし地元紙の映画評が無かったら見逃していたかも。

地元紙の映画評はちょっと辛口で、大手配給、豊富な資金投入型には結構手厳しいのが、私好みなのです(笑)。

かなり好意的な評に引っ張られましたが、本当に見終えて後味が良くてほっこりしました。
地味系映画に時々あるパターンで、ピチピチの美男美女はひとりも登場しません。

登場人物はあらかた人生の峠を過ぎた中高年男女。彼らの生活圏もくたびれた町、くすんだ家で走っている車のボロな事。六十年代(もちろん西暦)に走ってたヒルマンすらいる!

けれど、過去の話じゃないらしいのは密入国の難民の捕獲に警察官が携帯電話を取り出しているので分かります。

酸いも甘いも味わったらしい初老のマルセル。もとは外国人らしい妻とつましく、しかし愛情豊かに暮らしています。

靴みがきをしているマルセルは貧しい暮らしで近所のパン屋にはツケがたまっているし、グロサリーの店には居留守すら使われる始末。

しかし、彼らはいざとなると助け合える間柄で、具合の悪くなったマルセルの妻を夜中に病院に連れて行ってくれたり、見舞いに行ったリ、差し入れをしてくれたり(パン屋のおかみの差し入れの鍋は我が家に眠るセブの圧力鍋でした)………

ふとした出会いで、マルセルが見知った不法入国のアフリカの少年、イレッサ。コンテナから逃げ出し、海水に浸かりながら空腹に耐える彼をマルセルは見捨てておけなくなります。

妻の具合が気になりつつ、近隣の助けを借り、彼らを怪しむ地元の刑事をやり過ごしますが、妻は先が長くない様子で医師に夫に言うなと口止めをしていました。


紆余曲折を経て物語は後味良く終わりますが、巨悪には厳しいが、庶民には温情発揮のフレンチスタイルが、かつて見た何本かの映画のラストシーンと重なりました。

日本では、この手のエンディングだと、うるさがたから「法を曲げるな」とか批判が相次ぎそうだから、時代劇か、そこまで行かなくとも時効モノの過去の話にしないとお話が成り立たなさそう、など、ついつい野暮な感想を抱いてしまいました。

けど、とにかく佳作でしたよ。


午後、近所の友人宅でお茶…………の筈がワインまでいただいてしまい、いよいよご機嫌な1日となりました('-^*)/。


夜のニュースで日本映画の巨人、新藤監督が百歳でお亡くなりになった事を知りました。見事な人生だったと思います。ご冥福をお祈りいたします。


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