お天気が今一つだし、どうしようかと迷ったのですが、アカデミー賞の外国映画賞をはじめ、様々な賞を取っている作品なので、これは、見ておこうと、シネマ・ジャック&ベティまで一人で「別離」を見に行きました。
すると、何と、友人と会ってしまいました。宣伝バンバン飛ばしている話題の映画の場合は、友人を誘いやすいのですが、ジャック&ベティの映画は割と地味。だから、近所の友だちは誘いませんでしたが、しばしば映画や美術館に行く友人も偶然に「どうしようかと思ったけど」との事で同じ日になった訳です。
では、と二人で並んで観賞。
すると、何と、友人と会ってしまいました。宣伝バンバン飛ばしている話題の映画の場合は、友人を誘いやすいのですが、ジャック&ベティの映画は割と地味。だから、近所の友だちは誘いませんでしたが、しばしば映画や美術館に行く友人も偶然に「どうしようかと思ったけど」との事で同じ日になった訳です。
では、と二人で並んで観賞。
アメリカの属国(ってのが言い過ぎならば、同盟国くらいにしておきますかね)たる我が国としては、誰かさんが「悪の枢軸」と言ったことだし、アメリカが喧嘩したり、アメリカが嫌いと言ってる国に対するイメージはかなり歪んでいて、一時程酷くはなくなったものの、イラン人=麻薬密売人みたいなイメージを抱いている人も多いと思います。
が、この映画を見て、何だ、全然フツーじゃんと思いました。
敵対国アメリカの自動車は全然走っていなさそうですが、ルノーらしい自動車は沢山走っていて、女性であるシミンも運転しています。どっかのイスラム国みたいに「運転は駄目」なんてことはなさそうです。インテリ中流家庭では娘さんにしっかり勉強させている様子。
とはいえ、この国を出たいと言わせるものがある国なのでしょう。そもそも物語の発端は11歳の娘テルメーのためにこの国を出ようとしていたのに、父親がアルツハイマーだから置いてはいけない、娘の親権は手放さないという夫ナデルとの離婚問題です。
妻が家を出る事で、夫が仕事中面倒を見切れない父親のために、やむを得ずお手伝いの女性ラジエーを雇うのですが、信心深いこの女性、イスラムの戒律と抵触するかどうか、電話相談をしながら、介護をしなくてはならない上、何やらワケアリで夫には黙って仕事を始めた様子。
瞳の印象的な幼稚園児くらいの年齢の可愛い娘ソマイエを連れて来て、離婚問題の発端となったテルメーとも相性は悪くなさそうなのですが・・・
そのまま何もなければ良かったのでしょうけれど、ベッドに縛り付けられていた父親が落下して危ないところだったため、ナデルは「出ていけ」と怒鳴り、給料を取りに戻ったラジエーを突き飛ばしてしまい流産。「俺には失うものはない」と豪語するラジエーの夫、ホジャットが刑事告発し、一方、ナデルは老父に対する虐待でラジエーを訴えるという泥仕合。
それぞれが小さな秘密を抱え、齟齬を来たし・・・離婚をしようとしていた妻も、夫のために手を貸さざるを得なくなるし、かなり賢そうなテルメーは両親の不協和音に心を痛め、最終局面でどちらに付くか、公的機関で判断を下すこととなり、待合スペースの廊下の離れたところに座る両親が答えが出るのを待つという場面で終わります。
1つの家庭はインテリ中流家庭ですが夫婦仲は破たん、もう一つの家庭は破れかぶれな夫(手が早く直ぐに激こうする。人生がうまく回って来なかっただろう事が容易に想像がつくタイプ)と敬虔なイスラム教徒の妻。それぞれに賢そうな娘がいて、親のやっている事をじっと見ている。
色々な意味合いで遠い国と思っていたイランが、イスラム教の戒律以外の部分では私たちとほとんど変わらない生活を送り、喜怒哀楽も同じようで・・・ととても親しみが湧きました。家族の絆の濃さは良くも悪くも、私の知る日本の人たち以上だとは思いましたが。
シネコンで見られる外国語映画はほとんどが米英系のものですが、ジャック&ベティみたいなユニークな映画館だと他の国の映画が見られるので、少しだけ視野が広がるように思います。この映画、見て良かったと思います。言葉が分からなくて、途中眠くなりはしまいかと心配したのですが、眠気が湧かないテンポの良さで、それでいて粗雑さはなく、丁寧に描かれていて、さすがはたくさんの賞を取っただけの事はある作品だと思いました。
観賞後は友人と居酒屋ランチ。彼女とはまた近々会う約束をしていたので、その後解散しました。
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が、この映画を見て、何だ、全然フツーじゃんと思いました。
敵対国アメリカの自動車は全然走っていなさそうですが、ルノーらしい自動車は沢山走っていて、女性であるシミンも運転しています。どっかのイスラム国みたいに「運転は駄目」なんてことはなさそうです。インテリ中流家庭では娘さんにしっかり勉強させている様子。
とはいえ、この国を出たいと言わせるものがある国なのでしょう。そもそも物語の発端は11歳の娘テルメーのためにこの国を出ようとしていたのに、父親がアルツハイマーだから置いてはいけない、娘の親権は手放さないという夫ナデルとの離婚問題です。
妻が家を出る事で、夫が仕事中面倒を見切れない父親のために、やむを得ずお手伝いの女性ラジエーを雇うのですが、信心深いこの女性、イスラムの戒律と抵触するかどうか、電話相談をしながら、介護をしなくてはならない上、何やらワケアリで夫には黙って仕事を始めた様子。
瞳の印象的な幼稚園児くらいの年齢の可愛い娘ソマイエを連れて来て、離婚問題の発端となったテルメーとも相性は悪くなさそうなのですが・・・
そのまま何もなければ良かったのでしょうけれど、ベッドに縛り付けられていた父親が落下して危ないところだったため、ナデルは「出ていけ」と怒鳴り、給料を取りに戻ったラジエーを突き飛ばしてしまい流産。「俺には失うものはない」と豪語するラジエーの夫、ホジャットが刑事告発し、一方、ナデルは老父に対する虐待でラジエーを訴えるという泥仕合。
それぞれが小さな秘密を抱え、齟齬を来たし・・・離婚をしようとしていた妻も、夫のために手を貸さざるを得なくなるし、かなり賢そうなテルメーは両親の不協和音に心を痛め、最終局面でどちらに付くか、公的機関で判断を下すこととなり、待合スペースの廊下の離れたところに座る両親が答えが出るのを待つという場面で終わります。
1つの家庭はインテリ中流家庭ですが夫婦仲は破たん、もう一つの家庭は破れかぶれな夫(手が早く直ぐに激こうする。人生がうまく回って来なかっただろう事が容易に想像がつくタイプ)と敬虔なイスラム教徒の妻。それぞれに賢そうな娘がいて、親のやっている事をじっと見ている。
色々な意味合いで遠い国と思っていたイランが、イスラム教の戒律以外の部分では私たちとほとんど変わらない生活を送り、喜怒哀楽も同じようで・・・ととても親しみが湧きました。家族の絆の濃さは良くも悪くも、私の知る日本の人たち以上だとは思いましたが。
シネコンで見られる外国語映画はほとんどが米英系のものですが、ジャック&ベティみたいなユニークな映画館だと他の国の映画が見られるので、少しだけ視野が広がるように思います。この映画、見て良かったと思います。言葉が分からなくて、途中眠くなりはしまいかと心配したのですが、眠気が湧かないテンポの良さで、それでいて粗雑さはなく、丁寧に描かれていて、さすがはたくさんの賞を取っただけの事はある作品だと思いました。
観賞後は友人と居酒屋ランチ。彼女とはまた近々会う約束をしていたので、その後解散しました。