一緒に映画行けるかどうか、火曜日中に返事するねと言っていた友人に忘れ去られました。もちろん、お互いに物忘れが増えているお年頃だから、不問です。

 で、今朝「遅れてごめんね。午後からなら見られるけど」とメールが来た時には、もう出かけようとしてたもんね〜。

 本来ならば「ねえ、映画の件、どうなってるの?」と質問すべきだったのでしょうけれど、別件のメールを見て、彼女が相当上の空になっているのが分かったので、それをいいことに強行軍を決めたのです。

 友人と一緒となると、まさか、おばかな二連発なんて出来ないですもんね。

 この前映画を見た時にはどちらにしようかと迷って、ショーン・ペンの映画を選んじゃったのですが、ウディ・アレンの映画も実はどうしても見たかった。そして、猫がどっさり登場するというレンタネコもどうしても見たいし・・・
 で、ひとりでとっととお出かけです。

 ミッドナイト・イン・パリは広告抜きで10時始まりだから、今朝は家事に大わらわでございました。

 ミッドナイト・イン・パリは冒頭、パリ名所案内みたいな画面です。おおっ、オペラ座、おおっ、モンマルトル、おおっ、コンコルド広場・・・などなど、ちょびっとだけ懐かしい風景でした。

 物語は自称三文脚本家の主人公。小説を書いている最中で、お金持ちの婚約者の両親の仕事がらみの出張に便乗、一緒にパリに来るのですが・・・婚約者の旧知で、ソルボンヌで授業をするためにパリに来たというスノビッシュなカップルとばったり会ってしまった事で、元々少々ずれている感じだった二人の間が微妙になって行きます。

 パリはいいとこ、暮らしたいと言うのに、彼女はマリブに暮らす事を夢見、ママご同伴で家具のお買いもの。だいたい、彼が小説を書く事に対しても懐疑的で、脚本家として売れっ子なのにと不満の様子。

 ある晩、スノッブな彼氏に誘われてダンスを踊るという彼女たちと離れて一人街を歩いているうちに・・完全に迷子になってしまいます。階段のある薄暗い片隅でぼ〜っとしていると、突然、クラシックカーが現れて「乗れよ、乗れよ」と誘われて・・・・

 その先はタイムスリップものとなり、最初はからかわれていると思っていたのに、フィッツジェラルドやヘミングウェイ、ピカソ、ダリ、ゴーギャンなどなどそうそうたるアーティストと夜毎に会い、著名なガードルード・スタインに小説を読んでもらう機会を得ますが、現在の世界に戻る日中、婚約者からはドラッグやってるの?と疑われる始末。二人の間の亀裂がますます大きくなって・・・

 タイムスリップして最初に入った店で「見た顔だ」と思ったコール・ポーターの曲が物語途中からの重要なポイントになっております。

 ってあたりでやめときましょうね。ネタばれになっちゃうから。

 肩の凝らない、楽しい映画でしたよ。
 今日はレディスデーで、2本見終えたら、えらく並んでいるのは、どうやら「汚れた心」を見ようという人たちだったのではと思いますが・・・・終戦の日の今日、日本の敗戦後日系移民の間で起こった悲劇を描いた作品を見るのは、とても意義深いとは思うのですが、今の私は重たい作品を見る元気がありません。

 で、二本目。レンタネコ

 こちらは荻上直子監督作品。荻上組のひとりとも言うべき、市川実日子さんが主演。いや、主演は猫たちなのかという感じで、猫好きだったおばあちゃん亡き後、猫だらけの一軒家に暮らし、さびしい人にはレンタぁネコ〜♪と、いしやき〜いも〜♪風の節回しで多摩川の河川敷を猫を入れたかごを満載したリアカーを引いて回っているのです。

 で、悪ガキコンビに「わ、また来た、猫婆ぁ」とか言われながらも引いている時に出会ったのが、かわいいおばあちゃんや単身赴任のとほほのオジサン。この二人にはそれぞれ「審査を通らないと貸せない」と言って、家まで上がりこんでチェックします。で、結果はOK。

 あまりの暑さに飛び込んだら、夢の中で見た「ジャパンレンタネコ」のショップにいたのとそっくりな女性が店番してるから「うわ、デジャブ!」と叫んでしまったレンタカーショップでも猫貸し出し。

 そして、最後に出会ったのは中学校時代の同級生。ヒロインはかつて保健室登校していたらしい事が示唆され、一方で、少年の日の同級生はさぼりたいから保健室で寝ていたのです。遭遇した二人は互いを「ジャミコ」(ジャミラから来ているらしい)「嘘つきハッタリの吉沢」と過去のあだ名で呼びあうのですが・・・。

 最初の二人に対しては、家のチェック、契約書(とても簡単)、支払い金額の少なさに驚く顧客に対して「実は私他にちゃんと仕事をしているんです」と説明、その仕事ぶりにも猫ちゃんが絡むという訳で・・・このあたりは実にファンタジーです。

 そうそう、小林克也さんがかつら付き、ほぼ地声のまんまで演じ、ヒロインの痛いところを突きまくり「あのばばぁ、ゆるせね〜」と叫ばせる謎の隣人が笑わせてくれます。

 荻上監督の作品って、淡々とした日常におかしみがあって、見ていてほっこり。

 さびしい人の心の穴を埋めるのは猫ちゃんっていいですね〜。

 前にも書いたけど、性格的には犬派なんですが、造形的には猫派なんです。で、日常的にはゴマ派(笑)。

 今日も見終えた映画のチラシを100均のフォルダーに入れつつ、ゴマちゃんの散歩をして1日のお仕事を終えたのでした。

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