実は最近グデグデしてました。プチ夏バテらしくて(○年期障害かもだけど^^;)、めまいがしたり、ちょいと不調に陥りそうでした。

ですが、家でグダグダしてると、なおさらパワーダウンしそうなので、えいやっ!で映画を見る事に。

ハワイ王朝最後の王女がヒロインのプリンセス・カイウラニ。有名なアロハ・オエを作った最後の女王、リリオウカラニの姪です。

ハワイ王族の亡母、スコットランド人を父に持つカイウラニは、クーデターをきっかけに身の安全をはかる父に連れ出され、スコットランドへ。

彼女を預かってくれた父の友人家族はカイウラニをあたたかく迎え、故国から離され頑なだった彼女も徐々に心を開きますが、寄宿制の学校をはじめ、随所で偏見や意地悪に遭います。

そんな彼女をかばうクライヴ、アリスのきょうだい。最初はお高いカイウラニを苦手にしていたクライヴはカイウラニに惹かれ、二人は愛し合うように。

でも、故国の政変、王朝の破滅を知り、愛より国を選んだ彼女。本心は泣きながらクライヴと離れ、故国のために毅然としてアメリカに乗り込み、興味本位のマスコミの前で堂々たるスピーチを行い、ウィットに富んだ語りかけで大統領にも願いを訴える機会を得ます。

しかし、ハワイの白人地主層の欲は深く、アメリカに併合される流れは止められず、それでも最後まで気高く凛とした振る舞いでハワイアンの誇りを鼓舞した彼女。

愛より国を選び、その国が滅びた心労が、健康美そのものだった彼女の命を奪ったのは、たった23才の時。

エンドロールでクリントン大統領がハワイ王朝転覆について正式に謝罪とありました。

アメリカの領土となっても、少しも魅力を損なわないハワイ、今や大活躍の外国人力士の草分けだった高見山や小錦など、パールハーバーという忌まわしい歴史も含めて、日本人とは馴染み深い場所だけあって、大入り満員、大盛況のシネ・マジャックでした。

ハワイ王朝の歴史は、琉球王朝のそれと重なる部分があると感じました。

ただ、住宅地スレスレの低空飛行に爆音、戦地のストレスにさらされる身とはいえ、許されざる米兵の犯罪の多発、それらの苦難のあらかたを、猛烈な上陸戦を経て傷付いた沖縄に押し付けて来た日本の態度など、沖縄の方が負うものが大きいとも感じます。

沖縄には及ばぬながら、県内に複数の在日米軍基地を抱えている神奈川県の、アメリカ合衆国第七艦隊を擁する横須賀生まれの身としては、ロマンティックで悲哀を帯びた美しい映画としてだけで観る事は出来ない作品でした。