昨日は久しぶりに市立図書館から予約本到着メールが来たので、取って来てから接骨院。待ち時間は「ある日、アヒルバス」を見ていて、面白かったのですが、帰宅後は返却期限が短いカジュアル・ベイカンシーを優先。



 当初、いまいちとっつきがねぇ・・・と思っていたのですが、さすが巧者。だんだん引き込まれちゃいました。

 ハリポタの世界でも、ハリポタがいとこやその両親からいじめやら嫌がらせを受ける場面が出て来ますが、この作品でも、いじめや虐待などが、よりリアルに描かれています。

  何と言っても、とても面白かったのは、風景の美しいイギリスの小さな町の人々の思惑。

 まっこといやらしいのです。物語で良かったよという感じです。でも、多分、事実は小説より奇なりだから、実際はもっとえぐい話はあまたあるのでしょうね。

 そのいやらしさがにじみ出て来るきっかけが「突然の空席」というタイトルのもとになった日本で言うところの若き町会議員さんの突然死。

 彼の後釜を誰にするかで大人たちはうごめきますが、子どもたちには子どもたちの世界がある。

 特に40そこそこで亡くなったバリーがよく見ていたクリスタルという、まるで負の連鎖にはまり込んだような家に育ったすれっからしの少女と、学校の副校長と指導主任夫婦の息子で斜に構えたスチュアート、威張りくさってDVな父親を持つアンドルー、インテリの医師夫婦の元に生まれた劣等感の塊のスクヴィンダー、それぞれの気持ちが深く描かれています。

 一見してのワルやすれっからしも、実はふか〜い訳があるのですが、大人たちは表面的な事しか見ないし、大人同士の付き合いから来る歪んだ見方もある。


 イギリスってのは階級社会だなぁと思わされる場面が多々ありますが、日本だって、実はあるでしょと言いたい部分はあります。「あっちの人たちとは付き合うな」とか「集合住宅は意識が低いからね」とか(後者の言葉は、実際に前回の自治会のお役をした時に、一戸建ての人が言ってましたよ(^_^;))。

 そして、人間関係のいやらしさは、これもまた日本の都市部では割とない事になっていますが、実は結構あり得る光景ですわね。外面如菩薩、内面夜叉・・・とか、そこまで行かなくても、口は笑ってるが目が笑ってないとか。

 その描き方が巧なので、ついつい読まされました。

 ですが、ラストは・・・ネタばれになりますから書けませんけど、切なかった。



 切ないと言えば、アメリカの大竜巻で小学校が破壊しつくされている。小さな犠牲者が出ている事は心が痛みます。

 救援活動が進んで、1人でも多く元気な顔が見られますように。

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