雨の水曜日。絶対に見たかった映画、「ジャージー・ボーイズ」、急きょ友人を誘って、見て来ました。アメリカでビートルズ以前に大人気を博したグループ、フォーシーズンスを描いた作品で、監督は、今や名監督として、押しも押されぬクリント・イーストウッドです。こりゃあ何としても見なくちゃ!

 この夏も行ったアイスショー「ザ・アイス」では、フィナーレに客席総立ち総参加で、スケーターの振り付けで「君の瞳に恋してる」を踊り、大盛り上がりするのですが、この「君の瞳に恋してる」も彼らの曲だったと知ったのも、絶対見なきゃと思った理由として大きいです(今年はソチのアイスダンスのゴールドメダリストのメリル・デービス&チャーリー・ホワイトによる振り付け)。

 フォーシーズンスと言えば、私の記憶に鮮明なのは、カーペンターズが人気絶頂の時に出たイエスタディワンスモアのアルバム。ラジオ仕立てなのですが、クイズの中でDJが「次の曲は誰の曲でしょうか?」と問うた時に、回答者のマークさんが若干戸惑いながら、「フォーシーズンス?」と答えて、DJが聞き返した後、「You are wrong(ハズレ!)」とやられる部分です。

 そうかぁ、過去の栄光のアーティストって、フォーシーズンスなんだなぁと思ったのですが、そのころ、ラジオ関東(現在ラジオ日本かな?)の土曜夜の湯川れい子さんの番組、全米トップ40で「瞳の面影」というのを聞いて、アーティストはフランキー・ヴァリと知りました。でも、彼がフォーシーズンスのヴォーカルとは知らなかったです。

 当時好きな曲だったOh、What a nignt!とか、人気絶頂のオリビア・ニュートンジョンとジョン・トラボルタのミュージカル「グリース」のパンチの効いた主題曲も歌っていたのはフランキー・ヴァリでした。

 なので、フォーシーズンスはともかく、フランキー・ヴァリ、そして、湯川さんが発する作曲者ボブ・ゴーディオという名前は耳にとまっていたのですが、彼らの人生、こんな事があったのかと・・・

 以下、ネタバレになっちゃいますので、これから見るという方はスルーしていただきたいのですが・・・



 
 明るくノリノリで、だからこそ、ザ・アイスのフィナーレ、全員参加の曲に選ばれているに違いない名曲、「君の瞳に恋してる」をうたった時のヴァリは、実は愛娘をドラッグ中毒で亡くしてる直後なんですね。ゴーディオが落ち込むヴァリのために書いた曲で、当初はヴァリはけんもほろろだったのに、ゴーディオのたっての願いを聞いて持ち帰った後、夜中のベッドの上で、熟睡中のゴーディオに電話をして「ここを手直ししよう」という姿が印象的です。

 この物語(原作はミュージカル)は、フォーシーズンスのオリジナルメンバーの一人一人が、語り手を務めるスタイルですが(確か主演のヴァリ役が語り手をした部分はなかったように思いますが、間違ってたらごめんなさい)、当初の彼らはニュージャージーのチンピラで、特に後日問題を起こすリーダー、トミーは刑務所慣れしている始末。金銭的にも生活面でもだらしないけど、人あしらいは抜群な魅力的な部分もある人物です。

 チンピラ仲間の一人で、ボブ・ゴーディオを紹介した小柄なイタリア系男性が、のちの個性派俳優のジョー・ペシ。

 メンバーの中では作曲担当のボブとヴォーカルのフランキーが突出して才能がある中、だらしないトミーと、そのほか大勢扱いで、自分がいなくなってもどうってことないと自虐的になっていき、トミーの金銭問題をきっかけに脱退するニック。ハングリーな彼らが成り上がって行くまでは、歩調が揃っていたのに、人気高騰の後には、破たんが出て来る。これは、多くのアーティストに見られる事ですね。

 このあたりは、ほぼ1年前に見たフランス映画「最後のマイウェイ」とも似ています。

 何と、今、過去日記を見てみたら、「最後のマイウェイ」でクロード・フランソワがOh、What a Nigntを唄っていると書いておりました(しかも、アーティストが分からず、ニール・セダカか誰かかなんて書いています。(^^ゞ 確か、ジャージー・ボーイズの中で、音楽関係者がヴァリに対してニール・セダカでもあるまいにみたいなセリフを発していますね。つまり、時期的にかなりかぶっています)。

 スターとして、光を浴びれば浴びるほど、その裏では様々な艱難辛苦がある。よく神様は不公平で、特定の人たちにばかり才能や美貌を注いでいるみたいな言い方がされますが、恐らく、そんな事は無い。注目され、成功しているように見える裏で、例えば、家族との団らんや絆とか、時間や裁量の自由とか、失っているものは山ほどあるかと思うのです。

 ・・・・という事を、昨日、引退表明した高橋選手をはじめとして、超有名スポーツ選手や、芸能人もそうなんだろなぁと思わされる作品でした。

 フランキー・ヴァリと同時代の片鱗を知る身には、思わず、足でリズム取ってしまう(迷惑になるから、ささやか〜にですが)ような作品でした。見て良かったわ♪

 そうそう、マフィアの親分を演じたクリストファー・ウォーケンがいい味を出していました(ジョン・トラボルタが太目のお母さん役を演じて話題になった映画「ヘアスプレー」でお父さん役を演じてましたね)。


 八ヶ岳にはアメリカで買ったグリースのアルバムがある筈です・・・・しかし・・・もはや再生する機械がぁ・・・・





 DVDなら見られるわん♪

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