友人が送ってくれた本を読みました。




 この先生の著書、そこそこ読んでいます。最初に読んだのがこちら。↓  20世紀末の事でした。

うるさい日本の私 (角川文庫)
中島 義道
KADOKAWA/角川書店
2016-05-25

 日本人の事なかれ主義、察してよ、日和見だのなあなあが大嫌いで、モノ申す哲学者の先生ですが、一定の支持があるようであります。

  例えば、電車に乗ると聞こえてくるご親切なアナウンスがうるさい! 要らぬ親切してくるおせっかいなおばちゃんめは嫌いだ!など、人によっては暴論だの、冷酷だの批判されそうな内容です。

  シビアな事を書いている傍らから「それを通すのは結構大変なのよ」という弱音がちらっと見えるので、憎めない部分もあるので、私のような日和見のアホでも結構読めます。

 何といっても、日本人の一般とかフツーと言われる部分に違和感を唱えている新鮮さがあります。

・・・・実はそれは私もしばしば感じるところなので、結構好きなんですが。そして、私が言っても「何、それ?」「お前が言うな、生意気な」と言われそうなところを東大卒で、国立大学で哲学教えている教授という権威が言ってくれるので、世の中に一石を投じることが出来るわけで、よくぞ言ってくれました!という部分があります(でも、そこまで徹底しなくてもいいでしょという部分があるのも否めませんーだから私は日和見なんですが)。

  この先生の著書を読むにつけ、世間を見回すにつけ、思うのは、人気者とは、自然体でど真ん中、体制に順応している人なんだなぁという事。

  お上なり、人が良かれと思ってやっていること(良かれの中には、クレーム逃れだったり、責任逃れだったりで、一見世間に対して親切そうで、実態は自分のために良かれなことも多いんですが)に対して、ツッコんだり、疑問を呈したりしない人。 

 いえいえ、本当は違う事思ってるのに、保身のために黙っているタイプじゃなくて、本当に疑問を感じないで素直に順応しているタイプの事です・・・内心違う事を思ってるのに、表面だけど真ん中を装う人は、独特の臭みがあるからバレます(笑)。

 そして、その人の行動も突拍子もない事はなくて、法律すれすれとか、それってずるいんじゃないと突っ込まれるようなことはなくて、学校でも職場でも先生や上司、同僚などから最大限受けが良い善良さがあるタイプの事です。

 時として、要領悪いな、取り逃ししているぞというようなこともない訳ではないですが、それすら気にしないでいられる安定感(これ、決してバカにして言ってるわけではありません。私自身がこまごまと、損得を気にするセコイ性格なのに比べて、いいなぁとうらやましく思う事も多いんです)。 これは、本人の能力が低いという訳でじゃなくて、むしろ世間一般以上に能力が高いけれど、いや、だからか、あくせくせこせこしないでいられるのです。

  こういうど真ん中な道を歩ける人が、世間では人気が高いと思うのです。有名人の間ではいざ知らず、一般ピープルの間で人気が高い人を見ていると、ど真ん中を歩ける人というのは、生まれ育ちなのか、持って生まれた性格なのかまでは分かりませんが、本人の努力のたまものではなくて、ほぼ天然ではないかと私は思っております。

  ただ、そういう毒のない善良そのものですというタイプにはない面白み、刺激が欲しい人には物足らない面もあります(だいたいが決して嫌われることのない人ですが)。

 そういう時に、この先生みたいな、一般常識となっている事柄に対して疑ったり、批判したりする目を持っている人は実に新鮮だし、時として自分の代弁者のようで、嬉しいのです。

  芸能人や、文化人など、有名人を見ていても、ど真ん中な一番人気のある人やグループは、人に与える不快感や違和感が少ない方が多いと思うののですが(突拍子もなさそうな事をやっていてもあくまでも明るく!ですし)、味のある悪役とか、癖の強いタレント、どっか影のある人などもいないと、実につまらないですよね。

 これって、容貌に関しても同じような事を言えるかと・・・・ ど真ん中な美形ばかりじゃなくて、色々あるから楽しいのよね。

 ・・・・結局、自己弁護な文章ですな。(;^ω^)

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