物減らし努力中ですが、射幸心や競争心というのはなかなか厄介なものであります。

 それが生きてる証、生きる意欲の一つの表れとも思いますが、あー、まだまだ修業が足らないと思う事でもあります。

 例えば、バーゲンセールで、ちょいイイナと思ったそれしかない品物を他の人が手に取り、戻したら見ようと思っていたのにそのままお買い上げ。

  
 本当はそんなにめっちゃくちゃ欲しいレベルではないのに、その場で唯一の品を、それも買えるお値段になっていたのを、目の前で掴み損ねると、ものすごーく損した気分になります。
 
  例えば、何人かで集まった時に、色違いとか型違い、味違いなど、何かしらの違いのあるちょこっとしたものを誰がくれる時に、要領のいい人が、自分がイイナと思った物を一番乗りでさっと貰ってしまった、なんて時にも、要領の良すぎる人と比べ、自分の鈍臭さに気持ちが下がります。

  回数条件満たしていたのに、何かに気を取られ、最終日のショッピングモールでガラポンくじ引くのを忘れた、なんて時にも、ほぼ間違いなく末等の、ローションティッシュしか使えなくなってしまった身には要らんもののポケットティッシュしか貰えないのに、えらく損した気分になりますし。

  そんなもの要らんはずなのに、食品売り場では、ついノベルティ付きの方を手に取ります。

  いやはや、煩悩、煩悩。

  実はごくごく最近もありました。それも私が好きな布で。

  やたら物離れの良い、従ってスッキリした家に暮らす友人が、お茶に呼んでくれた時に「どうせ捨てちゃうから」とイギリス風の柄とバリ風の柄の縁かがりした布を用意してくれていたのですが、私は全く貰えなかったのです。後から来た友人が一瞬でバッグに全部入れちゃった・・・呆気

  手ぬいしている事を知っている友人なので、まさか私に一声もかけず、全部貰っちゃうとは夢にも思わず、不覚を取りました。或は後から来たので、私が先に何か貰っていると勘違いしていたのかも知れませんが、私は彼女が来るのを待って、どれを貰うか話し合って決めようと手付かずでいたのでした(もし、逆のパターンならば、彼女は私を待たずに全部貰っていたのかな? ならば知らぬが仏)。

  彼女に悪気は無いのはわかるのですが、釈然としない、いわゆるおもしろからぬ気持ちがズグズグ湧いて来たのでした。そういう時には「私だって縫いものしてるの知ってるくせに、自分の技量がはるかに高いから(←事実です)って、独り占めを当然としたのね」等という、私が嫌いな「くせに」という言葉を含む歪んだ感情も芽生えて来るから恐ろしいものです。

  たかがタダの布じゃんか!

  確かにいいな、手元に置きたいなと思った部分もありますが、あんたはどんだけ布を抱え込んでるんだ、この欲張りめ!

  しかも、たまたまチャンスを逸したのを目の当たりにしたから、競争心が出て来てしまった訳で、元々無かったら欲しいと思ったでしょうか? その布を、自腹を切ってまで買いたいレベルでしたか?

  と、考えると、だいぶトーンダウンして来ます。

  バーゲンセールの一品物だって、元値より安い!自分が取り損ねた!で瞬間的に欲しくなっているのに過ぎないのです。

  確かにくじは引かなきゃ当たらないですが、縁がなくて引き忘れたのを悔しがってもしかたない。交通費かけて出かけるような大きな商業施設では、もし引いても、多分、恐らく末等かその上程度ですっ! つまり、百均行けば手に入る程度のものでウダウダ言うなやいっ!

  そうなんですよ、きっとその時にスンナリと手に出来たら、たいしてありがたくもなく、次、いつ断捨離するかと考えるか、活かし切れず死蔵品になってしまった可能性があるのに、射幸心と競争心のために、執着しているだけ。

   これって、日程や懐事情そのほか諸々で、元は行くつもりが無かったアイスショーや試合に、知り合いが嬉々として行くぞーと宣言してる時に、行きたくなるのとも似ています。
  
  そして、世の中の商売の多くは、ここんところを利用して、本来は不要な物やサービスを買わせるべく頑張っている訳でありまして、丸きり乗らないのも楽しくないけれど、いつも乗ってると、財布も家の中も大変な事になるのです。

  得られる筈が手をすり抜けたマイナスの感情を抱きそうになったら思うべし。

  それは元々無かったのだ。
  一瞬ヒートアップしたけと、本当は必要無いのだ。
  また物が増えるところを免れたぞ、ラッキー(*^▽^)/