いよいよ晦日です。今年は婚家の喪中なので、至って普通のケのまんまです。
先般、屠蘇散の事を書きましたが、お飾りとかおせちとか、そういうのは無しなんだそうで、率直なところラクです。
大掃除はしても良いんだと思いますが、例年通りスルーなんだわさf^_^;。
なもので、今年中に読了したかった『超一極集中社会 アメリカの暴走』を読みました。
著者は高学歴な女性初のエコノミストとして長銀に入社され、以下、凡人には縁遠い難しそうなお仕事をされて来た方で、この本はシリコンバレーに暮らし書かれたとあります。
鶏脳な私が何とか掴んだのは………
工場や機械などの設備投資という大きな元手要らずで、蓄積する集めた情報を販売する、或いは販売用ツールとするgoogle、Amazonなどの新興企業は、大きな利益を上げると新規事業を買い取り、ライバルになる前に摘んでしまう。それにより独占的な地位を築いて、益々利益増大。
こういう企業がやる事はAIができる事は置き換え、人件費カットをするので、アメリカでは中流層が薄くなり、一握りが富のあらかたを占め、没落した労働者たちは、自分たちの不満のはけ口として、自分たちと同じ教養レベルで語るトランプを支持する。しかし、トランプは実際は資本家側の人間で、政策は益々資本家に有利に動く。
AIがより多くの事をこなすようになり、将来的に不要になる職業があるので、これからは生まれ育った国の言語を問わず世界共通のプログラミングが出来るようになるのが、一生食いっぱぐれがない。
便利だと思って使う無料サービスで、個人の情報は抜かれ放題で、その利用について知らされることが無い。本人は削除したつもりでも、その気になれば蓄積された情報から拾い出し、人物を特定し、脅迫する事も出来る。それにより言論の自由の喪失もあり得る。
今後の戦争はハッカーによるインフラ破壊と言ったかつてとは違う形で大きな損害を与えるものになる。
もはやアメリカでは、一般庶民のために、という方向性はほぼ無くて、実態は富裕層だけがより豊かになっていく方向性……らしいです。
オーウェルの1984どころじゃなくて、ウェルズのタイムマシーンのイーロイとモーロックという隔絶された2種族(ただし現実世界のモーロックは高度に知的)を思い出す社会になりつつあるようです。💦
だいぶ前にマイケル・ムーア監督のアメリカ医療を巡る問題を描いた映画『シッコ』を見て、アメリカの医療のひどさに驚きましたが、オバマ前大統領の医療保険制度も不完全で、著者自身が病院で、事故で失った3本の指の接合手術が保険で全額カバーされず、一本のみにするか、莫大な借金を背負うか苦悩する家族を見たと書いていて、命に関わることまで金次第、まさに医は算術になってしまい、貧者に厳しい格差が浸透しているのを感じさせられました。
著者曰く、日本に来るとまだそこまでではなくて、ぬるい感じらしいですが、敗戦後は何でもアメリカの後追いをしてきた国なので、果たしてどうなるのか?
著者も日記など、部分的にアナログを勧めて(つつも、ちゃっかり自分たちが開発した安全なクラウドや人生設計ソフトを勧めて)いますが、コンピューターに極度に頼り過ぎる暮らしに不安を感じるんですけれど。
そういえば、証券会社では今年中にはマイナンバー申告をしてくれとの事で、イヤだけど仕方ないか、とギリギリ間に合うように書類を投函出来るように準備していたのですが、年末に次々と外注したデータが流出したためかどうか、延期されたとの報がごく一部で流れました(なので、とっとと、やーめた!って封筒を引っ込めた奴です)。
もうとっくにgoogleやらAmazonやらには個人情報は抜かれ放題でしょうけれど、小さな抵抗で、LINEは限られたごく一部の機能しか使わないし、Facebookは相変わらず未登録です。
って、自分のような鶏脳には明るい未来が見えません。もうそんなに先が長くないので、AI失業の煽りを受ける可能性もなさそうなのはありがたいなと思いつつ、子どもたちがその中を生きねばならないのかと思ったり。
さて、そんな近未来とはまるで違う地道な本を、本日hontoの電子書籍でダウンロードして読みました。
あさイチでおなじみのスーパー主婦のワザを番組ディレクターがまとめた本の第二弾。スーパー主婦のスゴ技もグローバルなのであります。
が、こっちのグローバリズムは格差を広げる方向性ではなくて、みんなが快適に暮らせるという明るい方向性。
しかし、ドイツとイタリアのスーパー主婦を除くと、まぁ、見事に友の会メンバーのオンパレード。
そう、私が落ちこぼれた友の会です。f^_^;
巻末近くに、家計管理が友の会の家事の最上位とあり、そこに救いを求めますが、片付け、料理、洗濯と、知ってる技、知ってるけど出来ないワザが7割に知らなかったワザが載っています。
働くDINKSの妻である著者が、都度自分のダメさ加減を書いてくれていて、ホッとしつつ、ちょこちょこっと当時のMCのイノッチと有働さん、初登場時に、口が滑ったらしい有働さんからチュウタローと呼ばれ、一瞬うげっと言う表情を見せるも、その後受け入れたレポーターの近藤アナウンサーの反応などが入っていて(既に懐かしさ満載ですが)、自己嫌悪に陥らず読める仕組みが出来ています。
料理も出来る旦那さん持ちのキャリアウーマンの著者にとって、家事とは自分の足を引っ張る存在だったようですが、スーパー主婦たちの、人に見せるためではなく、いやいや後始末しまくるのでもなく、前向きに、最初の入り口だけ、ややハードル高そうに見える事を先取りしてしまって、余裕を生み出し、社会に還元していく姿に感銘を受けたようです。
手抜き邪道な私ですが、年相応にコレステロール値が上昇し、時折ひどい腰痛に悩まされ、たまに急性胃炎に襲われるとはいえ、ドライアイの目薬以外の与薬無しでいられるのも、根底に親子三代(いずれも落第😅)が関わった友の会の食育があるのかなぁ、と思わないでもありません。
洗濯も、洗濯の神さまと本書でも紹介されている堀志津さんご本人の机上講習を受けた事あるし、洗濯ネット使いまくりや、一度着た服だからとやたらと洗濯しない、なんてのも友の会譲りかもです。
しかし、知ってるとやってる、では大違い。
一番ズキンとしたのは『だわへし』を片付けの魔法の呪文(?!)としている井田さんの『片付いていない家では状差しが花開き、大概うちわが挿してある』でした。あちゃー🤷♀️
年賀状を含む手紙類、片付けなきゃねと思いますが、この年になると、もう二度と会えない方々からのものも増えて、なかなか思い切れません。たかが紙、されど紙。私にとって一番片付けにくいものかも。
なーんて感じで、シリコンバレーからの弱肉強食レポートで感じたゾッとする格差も、家事能力の格差という、まだ何とかしようがあるかも、と思えるところに着地して、ちょいとホッとするのでした。
(繰り返し言うけど、知ってる、とやってるは違うんだぞぉ<ぢぶんᕦ(o_oˇ)ᕤ)