
福島リッチホテルの朝食バイキングをがっつり&ゆっくりいただきまして、朝ドラも見て、この手のツアーとしてはゆとりの8時55分ホテル発、しかも歩いて、目的地へ。

福島県立美術館で開催中の伊藤若冲展。駐車場の空き待ちの列が出来ていたのですが、美術館前にも行列が。
背景の緑の小山の緑も美しい立地。
館内展示の写真撮影は出来ませんので、この掲示物でお茶を濁します。
ツアー参加のありがたさ。エントランスとは別の入り口から入館して、講堂で院展に出品の日本画の先生(確か齋藤勝正先生とおっしゃられたかと)によるレクチャー、もちろん絵画スライド付きを聞いてから展示室へ移動。
レクチャーの内容は若冲の生きた時代背景や生涯、特徴的な技法などで、なかなか興味深いものでした。
ホールは写真撮影オーケー。天井が高く、木が使われているので、威圧感のない明るい空間です。
いよいよ鑑賞開始。東京の国立博物館の特集展、例えば鳥獣人物戯画の時に比べたらマシとは言え、展示作品の前にはビッシリ人が並んでいます。
ぜーんぶ見るのだ!と空きスペース待ちをしていては時間切れになるので、見られそうな場所を選び移動しつつの鑑賞。
レクチャーで若冲の画にはユーモアがあるとの事でしたが、確かに。有名な鶏などの作品もあれど、豪胆な筆使いで描かれた屏風の一曲にゴロンと描かれた野菜、何とも可愛らしい猿の親子なんてのもありますし、三十六歌仙や六歌仙の画はもはやどんちゃん騒ぎ状態だったり、大道芸みたいで楽しくなります。
升目に彩色のシリーズも一点だけありました。象さんやリス、猿、イタチなどが描かれて、現代アートみたいです。
若冲は京都と大阪のみに暮らして、遠くに行く事はなかったらしいのですが、観察と想像力&創造力で、諸相をのびのびと描くことが出来た人だったようです。
旅をしなきゃ見聞を広められないわけではない。逆にたくさん旅をしていても心の目でしっかり見ないから、了見が狭いまんま、というケース、結構ありますね。(^_^;)
人がいっぱいの展示をもう一度見直すよりは、常設展を見ようと友人と意見一致。若冲展のショップも大混雑。レジも行列なのを横目に移動して、エントランスホール経由でスロープを経て二階へ。
日本画、印象派の絵画など、佳品が展示されていましたが、窓からの景色も美しい。桜の花も見られます。

小窓から見えた屋上スペースには数日前の雪が溶け残っていました。
美術館や博物館の企画展を見ると思いますが、作品が集まる事での魅力、吸引力はすごいものです。
若冲に限らず、著名作家、人気作家の作品、単品や少しなら、他所で見られることがありますが、ズラリと並んだことで人が集まる。
アート作品レベルではないもの、例えばガチャのオモチャなど、一つだけ持っているのでは大して意味のないものも、たくさん集めた事で価値を帯びる事も往々にしてあるわけでして。
コレクションの魅力は集める側以上に見る側に非常に強く、だから、人は蒐集をやめられないんだなぁ。
ミニマリストだけの世の中は味気ないし、貴重なものも失われてしまいます。
ミニマリストもいる一方で、蒐集する人がいてこそ、世の中は豊かなのだ(ただし、ちゃんと整理して維持管理出来る場合ですが)と、会場の賑わいを見ていて思いました。
ツアーにしては早い帰り時間に合わせて、名残惜しいけれど、福島駅に向けて、ふた駅だけ飯坂線に乗車。
人が写り込んでしまうので、看板しか撮れなかったのですが、若冲展があるからか、たくさん人が降りてきた駅、小さくて可愛らしい平屋はきっぷ販売ブースのみでした。出入り口の狭さは日頃の利用者に見合っているのでしょう。
看板のうさぎが可愛らしい。
有人と気付かず、 自販機で買ったのでふつうの感熱紙のきっぷ。ブースではかたいきっぷが買えるのか?は謎です。
細いホームで待っていたら来た列車、飾りのプレートは独自のものでしたが、乗ってみてもとっても既視感のある車両でした。車体番号も天井のエアコンも、これ、東急だよね?
終点の福島駅で最前部を覗くと、やっぱり東京急行のプレートと、東急車両のプレートが貼られてました。
ホテルに預けていた荷物を持って、福島駅西口側構内の麺屋さんでお昼を食べて、一時集合。3時前には東京着というてんこ盛りが得意のクラブツーリズムらしからぬゆったりした旅でした。
中1日開けるだけで、弾丸吉野の予定を滑り込ませられたのは、最初に予約したこちらがゆったりしたスケジュールだったからですが、自分が好き好んで選んだ事とはいえ、我ながらなかなかの根性でございます。
力いっぱい花見するのだ!を一部不完全燃焼ながら、実行出来て、満足度の高い春となりました。(^^)