
週末に黒歴史の友(と、彼女も私を思っているかとf^_^;)からの声掛けで、涼しいところで会わない?と言われ、美術館か博物館だね、となりました。
しかし、月曜と言えば軒並み休館。近場で唯一開館しているのが横浜美術館。通常木曜休館です。
原三溪の美術、実はちょっと興味がありましたが、あまりの暑さに単独行は無理だとスルーするつもりになっていました。
原三溪と言っても多分全国的には無名に近いのかも知れませんが、横浜市民なら、今も散策を楽しめる名勝である三渓園を開いた人であり、横浜の歴史を習うと絶対に出て来る名前で、言わば郷土の偉人なのです。
それとは別に個人的に原家が気になるのは、祖母の女学校時代の同級生の松平さんがお嫁に行った先で、私の知る老境に達していた祖母がクラス会に行くと、原さんが黒塗りの車で来られ、相変わらずきれいと時々話題にしていたからです。
祖母によりますと、松平さんは容保公のお孫さん、秩父宮世津子妃のいとこだったそうですが、祖母曰く、世津子妃より原さんの方がきれいだったし、私がノートを貸してあげていたんだそうです。まぁ、自称優等生はどこまで真実かは、もはや証拠無しですが。
多分、祖母の同級生が嫁入りしたのは三溪翁のお子さんだったのではと思いますが、クラスメイトだったという接点以外、暮らしぶりは天と地の差。
ところで、原三溪自身は横浜の豪商の原家に婿入りした人で、出身地は岐阜。画家の祖父や伯父がいて、自身も詩画の素養のある地方名家の息子でしたが、何と、黒歴史の友の両親が岐阜の出身で、何代か前は親戚関係があったとかで、全くファミリヒストリーの世界であります。
という御託はともかく、生糸商として財を成した原家が集め、のちに手放した多数の美術品を里帰り展示しています。
調べていませんが、おそらくは戦後の財閥締め付けなどで手放さなくてはならなかったのでしょうね。
東博、京博、大和文華館、細見美術館、畠山記念館など、行ったことがあり、名前を覚えていられる館から貸し出されたもの、行ったことがないので見たら速攻で忘れる館から貸し出されたもの、三渓園が保存しているもの、という区分けも出来ますが、平安時代、鎌倉時代、室町時代、江戸時代、近代と言った時代で分ける展示順で、最初と最後に三溪自身の画の展示がありました。
戦前の65歳と言ったら、堂々のご隠居さん、しかもお金持ちですから、茶道などの趣味に生き、新進気鋭の画家のパトロンにもなり、と羨ましい限り。
平均寿命が伸びたと喜んではいられない、65まで働くのは当然、70歳まで働けや!になりつつある今のシニア世代とは大違いです。💦
国宝の孔雀明王はじめ、見応えのある展示がたくさんでしたが、源実朝が描いたという観音様の小品が、短命だったインテリ将軍の人生を感じさせて、印象に残りました。
茶器も古代のものから、三溪が作陶を依頼したものまで幅があり、茶道をたしなんでいたら、さぞかし感慨深く見られた事でしょう。
コレクション展示も現代アートや戦争、震災などの錦絵から写真まであり、それぞれのコーナーのテーマがはっきりしている度合いは企画展以上だったかも知れません。
頑張って出掛けた甲斐がある展示でした。
遅めのランチは併設のカフェでロコモコ丼。白を基調にしたシンプルでゆったりしたスペースで、ゆっくり出来そうでしたが、めちゃくちゃ冷えるエアコンの温度設定で、はおりものを忘れた友人が寒さに耐えられず場所替えせざるを得ませんでした。
結局、何箇所かさまよった後、ランドマークプラザに最近オープンしたコメダ珈琲に隣接するコメダ珈琲の和もの部門のおかげ庵でお抹茶とお菓子のセットをいただきましたが、写真撮り忘れておしゃべりに興じました。
あっという間に夕刻となり、友と桜木町駅付近で別れましたが、さしもの暑さも日陰ではやわらいでいました。
家でエアコンをかけて篭っていると、だんだんパワーダウンしてしまいますが、暑さ対策しつつ出掛けて良かった! 誘ってくれた友人に感謝です。