朝、いきなり声をかけて乗ってくれた友人とエルトン・ジョンの伝記的映画の『ロケットマン』を見てきました。

 昨年の大ヒット作、『ボヘミアン・ラプソディー』のクィーンと同様、エルトンも好きだったアーティストです。

  いや、今でも好きです。彼の曲を聴くと心に色々な感慨や思い出が湧いて来ます。
 
 なので、彼の本名がレジナルドだったり、相方の作詞者がバーニー・トーピンだったのは知っていましたし、とてもきれいな歌を唄う一方で、かなりド派手なパフォーマンスをする人らしいのも知っていました。

  でも、こんな寂しい生い立ちの人とは知らなかったです。

   平たく言えば、不仲の両親の元で、精神的にはネグレクトの一歩手前のような扱いを受けて、才能には恵まれていたのに、愛情には恵まれず、スターダムに上がるも、心の空洞が埋まらず、満たすために乱脈な暮らしに堕ちて行く半生が描かれていました。
   
  大人になり、大成功して、大金持ちになっても、彼の心の芯にはいつでも寂しい子どもが住んでいたようで、見ていて切なくなりました。

  クィーンのフレディと違って、故人ではないため、ドキュメンタリー仕立てにしてしまうとあまりに息が詰まりそうだからか、ところどころミュージカル仕立てになっているのが救いです。

  フレディもそうでしたが、エルトンも最終的には誠実な恋人が現れ、エルトンの場合は同性婚も出来て、ただいま幸せな日々を送れているようで、エンドロールを見てホッとします。

  本人のチェックが入っての公開なので、エルトン・ジョン版のファミリーヒストリーみたいな感じですが、ネグレクト寸前の暗い子ども時代や各種依存症などの、これでもか、という悲惨なエピソードの積み重ねを公開出来るくらい、今は幸せと言う事なのでしょう。
  

 それにしても、No. 1になるという事はいかに大変なことか。

 もちろん、スポーツやそのほかでもNo. 1になる事は大変ですが、特にショービジネス界では、金の生る木として、有象無象がからみついて来るみたいですね。

 今まで何作か実在のアーティストをテーマにした映画作品を見て来ましたが、巨額の冨と巨大な熱狂を生み出す人はあらゆる誘惑に晒され、醜悪な関係をも引きつけてしまうのが共通していました。

   No. 1よりonly oneって、SMAPも唄いましたが、日本のショービジネス界のNo. 1だった彼らも関係が破綻してしまいましたし、本当にNo. 1でいる事の負荷は凄いのだなと思います。

   こういう作品を見ると、普段は物足らない凡庸である事、凡人であるが故の幸せをありがたく思えますね。(^^)


  友人とは映画の前に早昼、見終わってちょいお茶しまして、横浜駅でお別れしました。

   久しぶりの横浜駅西口、また階段の位置が変わっていて、嗚呼、不細工なサグラダファミリアよ、と思いましたが、階段の素材が今までの一時しのぎではなくて、しっかりした石材だったので、こと、階段については、これが最終形かも知れませんね。