分厚い『ロッキード』、難しいところは頭ん中でスルーしつつ、何とか返却期限の前に読み終えました。
私の回らぬ頭の中でまとまったのは、ロッキード事件は企業からの政治献金を禁止するようになったアメリカで、マネーロンダリングして金を還流するために利用された手法であり、なりふり構わぬアメリカのミーイズムの生贄になったのが田中角栄………だったのかも。
でした。
何しろザル頭なので、解釈間違ってたらごめんなさい。
私がこの本でとても気になった部分がありました。
今しも行われているかも知れない情報操作による誘導
世論と言うやつが持つ同調圧力の怖さ
そして、生贄になる人物は登場時に人気が高いほど、不満を抱える庶民の溜飲が下がる
最後に、裏番長が一番悪い!
です。
著者よりも若干年上の私がロッキード事件を耳目にした頃は高校生活の終盤でしたか。
毎日八ヶ岳の傾斜地を上り下りしての通学やら、クラスメイトとの関係、帰宅後の祖母から言いつかる用事などなどで過ごす日々、一応受験生でもあったので自分のことで手一杯でしたが、田中角栄さんのイメージダウンぶりが凄かったのを覚えています。
そして山梨県と深い結びつきのある小佐野賢治氏、フィクサーと言われた児玉誉士夫氏のイメージは、水戸黄門に出て来る、越後屋、お前もワルだのう、な悪役そのものでした。
中学生だった著者はそんな世論に違和感を感じたそうです。さすが!
全日本ルートの若狭社長なんかも児玉小佐野両氏に比べれば影が薄いものの、ワルモノ扱いだったかと思います。
田中角栄さんは、ほかの政治家同様に清廉な政治家だったわけではないけれど、さまざまな状況が重なり、普通ならそうはならないであろうところを、逮捕有罪となって、多くの国民からの大バッシングを受け再起不能になり世を去るに至った過程を著者が掘り下げています。
この時代は石油ショックの後で庶民は憤懣を抱えていたことが、実は見逃せない要素とサラッと書いてありましたが、それで思い出したのが、マリー・アントワネットです。
何度も読んだ『ベルサイユのばら』、今回のロッキード同様モチャモチャしつつ読んだツワイクの『マリーアントワネット』、確か法政大学出版の『フランス革命史』などなど、40年ほど前の記憶によりますと、オーストリアから政略結婚でフランス王太子妃となったマリーは大歓迎されています。
けれど、貧しい庶民の怒りが爆発する過程で、かつての人気はどこへやら、売女だの女狐だの散々な言われようで、断頭台の露と消えると民衆は大喝采!
彼女以外の貴族も、亡命し損ねると酷いリンチにより落命多数だったとの事(そんな時代に生きたマダム・タッソーの人生を描いた作品が昨年読んだ『おちび』です)
もちろん、貴族政治が格差を広げていたのは事実だし、当時のパリ庶民の生活は本当に酷かったようです。
が、マリーアントワネットが処刑台に上るまでの罪状には嘘っぱちもあり、エセジャーナリズムがイメージダウンにこれ勤めていたようです。
つまり情報操作。
そして、今太閤ともてはやされた首相就任時の田中角栄さんの人気と、オスカルに、今、陛下がご覧になっている民衆はみんな陛下に恋しているのです(大意)と言われるほど熱狂的に迎えられたアントワネットが重なります。
芸能人を見ていてもそうですが、人気者は一旦何かあれば掌返しを受けがち。
さらに富と権力がある者だと、僻み嫉みが加わり、引きずり下ろされ方もいっそう過酷になる。
このうねり、一度始まると、本人が死ぬかシステムが破綻しないと止まらない事は多くの歴史が語っています。
家人Bは今年の3月まで3年ほど新潟県勤務でしたが、彼に、新潟県の人に、田中角栄って人気あるの?と聞くと、普段は政治に無関心、ちょっと前の首相の名前も言えそうにない彼が、誰それ?とか、そんなの知らねーなどとひとこともなく肯首しました。
この本によるとロッキード事件で全日本ルートの悪役とされた若狭社長も、社内では信頼が篤かったそうです。
で、最後まで読むと、ホンボシはこの人かも、というのがわかりますが、ネタバレになるので言いません。
表でバッシングされているトップの後ろには、物語を操ってほくそ笑んでいる裏番長がいる?!
日米関係のことにも触れられていまして、いろいろと考えさせられる内容ではありましたが、じゃあド庶民はどう振る舞えば良いのか、には考えが至りませんでした。f^_^;
蛇足
石油ショックの時より、もっと庶民の暮らしが厳しくなっている今、事あるごとに中抜きしてると言われてる広告会社◯通と、経済学者上がりの◯中◯蔵さんですが、それも情報操作なんですかね?
だとすると、彼らにも、広がる格差と、新コロ禍でストレスが溜まりまくっている民衆の鬱憤晴らしが待っている?! 😰


