昨晩はこのひと月ほど楽しんでいたNHKの土曜ドラマ『一橋桐子の犯罪日記』の最終回でした。
家人Aが鎮座している物だらけのリビングで、夜の10時からドラマを見る、は私にはものすご〜くハードルが高いので、アジト部屋のパソコン、NHK+で30秒遅れで楽しみました。
かつて、大河ドラマの国盗り物語の帰蝶の役を演じられ、セクシー寄りだけど品のある美人女優だった松坂慶子さんが無理なダイエットも若づくりをせず、とてもチャーミングなオバちゃんを演じられていて、それだけでも惹きつけられました。
加えて、ムショ活と言う、身寄りのない老後の安寧な生活のため、何とか犯罪者となり、ムショ入りを目指すと言う発想が面白く、犯罪の予行やら実行をしていくうちに周囲の人たちを結果的に励ましていくと言うストーリーが楽しめました。
晩年に出来た今は亡き無二の親友、トモの犯した罪には見につまされましたが……
その原作者、原田ひ香さんの小説が市民図書の新刊として並べられていたので、ゲット!と借りて来ました。
それが、財布は踊る。
会議は踊ると言う映画がありましたねぇ、ワタシ世代にして、既にオールディーズな名作ですが。
ガマ口ではなくて、ヴィトンのイニシャルを入れた財布が、最初にハワイの店で清水の舞台から飛び降りるようにして買った節約派の主婦みづほの手を離れてからあちこちを移動、その財布に関わった人たちを描いたオムニバス小説であります。
桐子さんが高齢者の暮らしを重たくならないレベルで問題提起しながら描かれているなら、こちらは若い人たちの貧困問題。
平成を通して、働いても働いても可処分所得が増えず、リーマンショックの後の就職難で非正規雇用になったり、奨学金に縛られたり、家庭の状況から、社会人としてゼロどころかマイナススタートした若者たちを取り巻く怪しい儲かります情報、犯罪も絡めて描かれています。
財布は学ぶと言う章に出て来る同年齢の仲良し女子って、家人Aとほぼ同年代。家人Aが帰宅すると時々こぼしますが、本当に今の若者たちは見かけの給与はそこそこに見えても、税金、社会保険などなどが多くて、企業側は人件費削減ばかりを優先するので、貯金もままならないと言うのがわかります。
ネタバレになるのであまり詳しく書けないですが、やはりあぶく銭や一攫千金を狙うのはダメ。
うまい話は転がっていない、赤の他人が『ここだけの話』と真っ当な儲け話を持って来る訳ないでしょ!
と言うのがよ〜く分かるストーリーにはなっております。
一方で経済的に豊かになることが必ずしも幸せとは結びつかないことも…
最近は老眼もあるし、直ぐ睡魔に襲われるしで、一気読みがレアになりましたが、この本は久々に爆走してしまいました。
関心ある分野だからかなぁ?
最初はブランド物が欲しくて、ファッションに気を遣ってるから、メルカリで人と被らない古着を買っていた一人目の主人公みづほが、最終章では、服や財布なんてどーでも良い、もう興味が湧かない人になってました。
私、比較的若い頃からブランド物にもファッションにも興味無しですが、投資家にはなれてませんね〜。f^_^;
と思いながらページを閉じまして、夕飯の支度です。