昨日は雨脚が激しくなる前にサクッとお花見だけのつもりだったのですが、途中から降り方がひどくなりまして、小さな折りたたみ傘だけでは心もとないし、体が冷えそう(ト、トイレ💦)という不順な動機もありまして、夕方に向かう時間帯の鑑賞ってどうよと思いつつ、国立近代美術館へと向かってしまいました。

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 もちろん、もともと大いに見たかった展示なのですが、本当は横浜ではよく美術館や博物館などにご一緒していた友人とゆっくりと観覧するつもりだったのです。

 で、朝、メールまで出してお誘いしていたというのにフライングしたおバカさんです。体を冷やす雨がいけないんだ!(いやいや気象情報で降ると言ってたでしょ)

 昨日触れた金沢の国立工芸館ももとはこの美術館の分館、ともにMOMATを名乗っておりますが、今回の展示では、金沢で見た金工とも再会出来ました。

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 触ってみたくなるモフモフ感のある金属製の猛禽たち。鈴木長吉氏によるもとはシカゴ万博向け作品。

 最近の美術館は写真撮影不可の表示がされている作品以外は写真撮り放題。欧米並みになったようです。それを初めて知ったのは2021年熱海のMOA美術館でしたが、金沢の工芸館も撮影してハッシュタグをつけて、むしろ宣伝して欲しいという感じでしたし、こちらでもそう。
 
 #重要文化財の秘密と、作家名、作品名を明記したら、ブログ、SNSへ掲載OKとありました。

 という訳で、カメラにバッテンがついているマークがある作品以外、結構皆さんぱちぱちやっていました。

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 鎌倉殿がいらっしゃいましたぞ〜。こちらは安田靫彦画伯の「黄瀬川の陣」であります。

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 紅顔の美少年の義経もいます。

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 こちらの高橋由一画伯の「鮭」はかつて東京藝大で「見た事あるでしょ、教科書で」展で拝見した作品。あの時は会場内がぎゅうぎゅうで、低い位置の工芸作品は全く見られずでした。

 コロナ禍になっていろいろな事が変わりましたが、密を避けるという建前で美術館や博物館の激混みがなくなったのは良かったなぁと思います。超人気展示だと、予約しないと入館できないので手間はかかりますが、押せ押せのラッシュアワー状態で、何を見たんだかわからない状態よりははるかに良いです。

 タイトルが「重要文化財の秘密」ですから、展示作品の説明掲示の隣にひみつも書いてあります。当初はいまいちな評価をされていて、重要文化財の指定を受けるのがかなり遅くなってしまった作品があったり、評価の軸が時代によって変わっていくことが分かり興味深い説明でした。

 今村紫紅画伯の「熱国之巻」は当時の日本画の範疇を越えた色使いでパトロンだった原三渓からは最大の失敗作みたいな言いかたをされたそうですが、カラフルで素敵な作品です(写真撮るのも忘れ見とれていた)。

 夭逝した青木繁画伯や関根正二画伯の有名な作品もありました。関根画伯に至っては二十歳で亡くなられています。

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 高村光雲氏の老猿。家人Bが小さかったころ、サルを見ては「タル、タル」と言っていたのをふと思い出しました。

 企画展を堪能した後、時間が押してはいましたが、常設展とミニ企画展も見ました。目を射るような草間彌生さんの作品(≠かぼちゃ)もありましたし、一部屋全部がアートの壁というユニークな空間もありました。

 新たな購入品のお披露目もありましたが、国力が下がって来て「金にならなきゃダメ」「今が良ければ良い」「自分優先」になりつつある中、国があからさまに文化的なものを切ろうとしているのが、藝大のピアノ売却や上野の東博の電気代が大変などからも分かります。 

 ボンと寄付できなくても、応援したい場所へはなるべく足を運び、賛同を示すのが庶民が出来る事だなと改めて思います。

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  お花見企画は上野の東京国立博物館でも開催しているようですが、こちらも吉野の桜をはじめとする、春らしい画が展示されていまして、インパクト絶大なこちらをパチリ。船田玉樹画伯の「花の夕」1938年の作品です。

  時系列にそって同時代の作品をあつめた展示もあり、全然時間が足らない〜!

  これは友だちとまた来てもいいなぁと思いながら、千鳥ヶ淵のライトアップ時間は待たずに帰途につきました。

 くれなずむ旧軍人会館(元九段会館、今はファサードを活かして建替えられた九段会館テラスなんだとか)が桜の向こうビルの谷間に見えます。

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