先日、国立近代美術館での重要文化財の秘密展に友だちを誘いながら、ついついフライングしてしまったと書きましたが、その友人が会期末だけど行かない?と誘ってくれたので、駒場にある日本民藝館に行くことになりました。

  駒場東大前下車。

  都内では既に満開の桜が、気温下降により散らずにまだきれいなまんま。駅の周辺や東大構内でもたくさん桜が見られました。
  まずは東大構内で一般も利用できるレストランでランチをしてから行こうね、と言う話になっていたのですが、甘かった!

  開店前に既に行列が出来ていて、お店に人が入り始めましたが、何と私たちの前のカップルから足止めです。最低でも30分やそこら待たねばな事が確実なのが分かり、並んで待つよりは先に民藝館に行こうとなりました。

  民藝館はコロナ禍前に別の友人と行って以来です。せいぜい4、5年前の事かと思っていたら、もうずいぶん前でした。しかも、新高輪プリンスホテルに泊まってるという・・・今なら考えられないような贅沢をしております。




 今日は染色工芸家の柚木 沙弥郎氏の生誕100年の記念展。

 実はこの方、友人に教えてもらうまで存じ上げませんでした。私でも知っている有名な芹沢 げ雹瓩膨鏤卞りした方だそうですが、ウィキペディアで経歴を見ると1942年東京帝国大学文学部美学・美術史科に入学との事。戦時中は航空隊に入ったりして、今もお元気でいらっしゃるようです。

 民藝運動の系譜の、シンプルで力強いモチーフで、カラフルなものから、渋い色合いまで、さまざまなテキスタイルや紙などが展示されています。

 スッキリしたシンプルな作品もあれば、紅型風の染色もあるし、単純化した動物や、人物もあれば、幾何学模様もあります。

 用の美を唱えた民藝運動ですから、触れないでくださいという注意書きが無かったら、ついつい触ったり、腰かけたりしてしまいそうな、気取りや気負いの感じられない、日常生活に溶け込みそうな作品が多いです。

 会期末が近く、官製美術館・博物館と違って比較的コンパクトな会場であるためもありますが、かなりのにぎわいで、思いのほか若い来館者が多かったです。

  北欧のテキスタイルに通じるあたたかみも感じるシンプルさが若い人たちをも魅了するのかもと想像しました。

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  鑑賞後、東大構内に戻っても、おそらく第一陣が終わったあとの第二陣でまた並ぶリスクがありそうね、とそちらは諦めて、駒場公園へと移動。

 まずは今日は展示はお休みの日本近代文学館内のBUNDANというブックカフェでランチ。文豪にちなんだメニュー名ですが、私のいただいた牛丼は林芙美子の牛丼だそうです。友人はカレーでこちらにも文豪ちなみの名称がついていましたが、メモを取らないと右から左へ消えてしまいます。

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  東大も含めて、界わいは加賀百万石前田家の土地だったのですね。駒場公園内には昭和初期の建物ながら、重要文化財に指定された前田家の和館と渡り廊下で繋がる洋館があって、どちらも無料で拝見出来ます。

  むか〜し、そぼ降る雨の日、母と一緒に洋館に来たことがありまして、まだあまり整備されていなくて薄暗い建物の中で、何故かイタリア映画の「シューベルト物語」を見たことがありました。シューベルトがイタリア語?と思いましたが、それ以来の洋館で、和館訪問は今回が初めてです。多分、その頃は公開されていなかったのではないでしょうか?

 贅をつくした建物で前田侯爵家の私邸でもあり、接待用の迎賓館的でもありでしたが、前田家から富士重工の前身、中島飛行機製作所の所有となり、終戦後に連合軍に接収されるという憂き目を見たのちに国有財産になり、都へ無償提供されたという歴史をたどった建物であります。

 入館料を徴収されても不思議はないレベルの建物を二つも拝見出来ましたが、特に洋館の窓から見える満開の桜が美しく、その下では近隣の子どもたちや親子連れが楽しそうに遊んだり語ったりしていて、平和な風景でした。

 昭和一桁、私と友人の亡くなった母たちとほぼ同い年の建物ですから、今は巨木と呼んでよいソメイヨシノも、前田家の方々が住んでいる時にはまだ若木だったか、あるいはまだ植えられていなかったかも知れません。

 和館、洋館とも、結構入館者が多く、優雅な真っ白なドレスをお召のハーピストの方の演奏を撮影している部屋などもあって、ぽ〜っとして写真撮りませんでした。
 
  駒場東大前という駅名から、東大だけがあるイメージですが、落ち着いた雰囲気のおとなが楽しめる場所でありました。

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