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  最近、さっぱり読書が進まない、厳密にいうと、図書館に予約を入れてはいるけれど何十人待ちばかりなので、手もとに本がないとう状態でもあるのですが・・・あまりの暑さに本を読む気も起らないというのも事実でした。

  読書切れの直前、さいごに読んだ何冊かのうちの1冊がこちらでした。

  帯にも100歳までと書いておられるし、うつから回復されてこの先まだまだお元気であろうと思っていたのですが・・

  今日の午後、twitterで訃報を目にしました。
 昭和の一桁生まれの方がまた逝ってしまわれた。

 森村誠一さんより4歳年上の母は、青春時代が戦争真っただ中。鬼畜米英と敵国をののしらされ、神宮で学徒動員の青年たちを見送った世代です。

 転じて敗戦後は、敵性語と呼ばれ、習う事すら叶わなかった英語をABCから始めなくてはならず、より進んだ授業を受けていた下級生たちの嘲笑を受けて、クラス中で泣きながら抗議したという話を聞いたことがあります。

  森村さんは母とクラスメイトを嘲笑した生徒たちよりさらにちょっと年下だと思いますが、昨日まで鬼畜米英、欲しがりません勝つまではだった国が、ものすごい手のひら返しをするのを見た世代なのは同じです。

  終戦間際の最後の空襲を生まれ故郷の熊谷で経験されている事で反戦に対する思いは同世代でもかなり強かったのではないでしょうか。

  私の中で森村誠一さんと言えば、やっぱり「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね」の「人間の証明」の印象が強いです。

  ミステリーではありましたが、テーマは戦争がもたらした悲劇でした。

  当時は映画が大ヒットして、子ども心にもお堅いイメージがあった角川書店がエンターテイメントに舵を切るきっかけになったと言う風に覚えています。

 戦争を率いた年齢の方々はもう鬼籍に入られていますが、従わされ、という意味では理不尽な目に遭って、それだけにどの世代より平和を求めた世代の人たちもだんだんと減っています。

  私はいわゆる戦争を知らずに生まれた世代ですし、環境的に戦場の話を聞く機会はなかったのですが、都心爆撃や原爆の話は当事者から聞く機会に恵まれました。

  直接聞く機会はなくても、著書を通して語ってくださる方々のひとりが森村誠一さんでした。何かときなくさい話が多くなっている今だからこそ、あとしばらく語り続けていただきたかったです。

  ご冥福をお祈りいたします。

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